ロゴ・名刺のデザイン
つくる・デザイン
事業の名前と顔をかたちにする仕事
どんな仕事?
開いたばかりの店や個人事業の、ロゴマークや名刺を作る仕事です。渡された言葉から雰囲気を読み取り、縮小しても崩れない形に落とし込みます。名刺は印刷所へそのまま入れられるデータまで整える必要があり、塗り足しや文字の輪郭化といった約束事が前提になります。形の理由を説明できることも、絵の上手さと同じくらい求められます。
仕事の流れ
何をする事業か、誰に見せたいのかを聞き取り、方向の違う案を3案前後出します。案出しがいちばん時間を食うところです。1案に絞ってから線の太さや色を詰め、印刷用と画面用のデータを一式で渡します。使い方の決まりを短く添えると喜ばれます。金額の組み立ては見積もりの出し方が参考になり、全体で3週間ほどを見ておくと無理がありません。
単価と収入の目安
ロゴ一式で1〜5万円あたりが副業では多く、名刺だけなら5千〜1.5万円ほどです。安く受けると案出しの手間で持ち出しになるのが、この仕事の怖いところです。紹介がつながるまで受注は途切れがちで、件数がゼロの月もあると見込んでおくと気持ちが折れません。半年から1年は本業の収入で暮らす前提で始めます。
最初の1件までにやること
身近な人の事業を、無料ではなく小さな金額で受けさせてもらう入り方が現実的です。架空の店を3件ほどつくり、看板や名刺まで並べて見せる形でも構いません。相手がどこまで自由に使えるかは引き渡す前に決める話なので、著作権と納品物の権利に目を通しておきます。実際に刷られた1件は、絵の見本より強く効きます。
向かない人・つまずくところ
商標を調べずに似た形を出すと、後から使えなくなる恐れがあります。すでに登録された商標かどうかは特許庁の公開データベースで下調べでき、どちらが調べるかを受ける前に決めるのが安全です。判断に迷う場面は弁理士など専門家に確かめます。案の正解が見えないまま時間だけ溶ける日もあるため、考える時間に上限を置けない人には向きません。一式いくらの約束がないと、案を無限に求められます。
解説動画: オリジナリティある、「ロゴの考え方・つくる手順」を教えます。プロの「デザインの作り方」。“素人っぽさ”をなくす、勉強方法。名刺・レイアウト・Webにも応用可。/アトオシとデザイン
名前を替えても使える形は弱い: コーヒーカップの絵に店名を添えただけのロゴは、名前を差し替えれば近所の別の店でも使えてしまう。それは独自性が無いということで、弱いロゴになる。その店でしか成り立たない形にどう持っていくかが、この手順全体の軸だと最初に置いている。
初回に必ず聞く3つ: 打ち合わせで聞くのは、競合と比べた圧倒的な特徴(一番の売り)、第三者にどう感じてほしいかの印象、既存のロゴを一緒に見て決める方向性の3つ。印象は「かっこいい」と「かわいい」のどちらが先かまで絞る。方向性は事例集を持参して視覚で共有し、言葉だけで済ませない。
テーマを一言に集める: 聞き取りで出たキーワードを書き出し、重要な1〜3個を一言のコンセプトにまとめる。これがあると作っている間に迷わず、案を絞るときの判断の物差しにもなる。相手側も「こういう意図でこうなった」と社内で説明でき、愛着がわくという効き方をする。
ラフは白黒で30案以上: 先に既存のロゴを調べ、角を丸くする・字間を空ける・明朝体を使うといった表現の気づきを溜める。ラフはそれを掛け算して作り、特徴8割・印象2割のような配分を意識する。色は付けず白黒の形だけで手で探り、30案以上書くと比べられる、としている。
紙に出して並べて直す: ラフをパソコンで清書するのは、名刺や看板で使われる最終形にしないと良し悪しを判断できないから。ここでも色は後回しで形だけ検証し、紙に印刷して見比べる。素人っぽさは、自分の案と同じ種類のプロのロゴを横に並べ、差を言葉にして直す往復で削っていく。