湯を捨てて炊く

加熱する

動かすもの: 水の量

沸かした湯に米を5分入れ、その湯を捨ててから新しい水で炊きます。米に残る無機ヒ素が減ったという報告がありますが、加えた水をほぼ全量吸わせる日本の炊き干し法とは別の炊き方になります。

何が起きているか

沸かした湯に米を入れ、その湯を捨ててから新しい水で炊く手順。シェフィールド大学の Menon ら(2020)はあらかじめ湯に通してから吸水させて炊く方法と呼び、湯へ無機ヒ素を移して捨てることで米に残る量が減ったと報告しています。加えた水をほぼ全量吸わせる日本の炊き干し法とは別の炊き方にあたり、浸すの位置づけも変わります。

動かす数字

報告された無機ヒ素の除去率は玄米で54%・白米で73%です。手順は先に湯を沸かして米を入れ5分加熱し、その湯を捨てて新しい水に替え、米と水が容量比で1対2の吸水法で炊く形で、浸す工程は入りません。白米ではカリウムが48%、リンとマグネシウムが22%減り、亜鉛は有意な減少がなく、マンガンは約5%減と報告されています。

台所での測り方

湯の量と、湯に入れていた時間、捨てた湯の量を書き留めておくと、洗うや浸すを変えたときの差と切り分けられます。湯を捨てた時点で米はすでに吸水が進んでいるため、炊く水は通常の加水量をそのまま使わず、量りながら決めます。湯に通した米は柔らかくなりやすいので、硬さの印象も同じ欄に残します。家庭でヒ素の量そのものを測る手立てはありません。

よくある失敗

この手順をとらないと危険という読み方は誤りです。農林水産省の実態調査では、国産米の無機ヒ素は精米で平均0.09mg/kg・玄米で平均0.13mg/kgと、コーデックス委員会の基準値である精米0.2mg/kg・玄米0.35mg/kgの範囲にあります。玄米は白米より無機ヒ素が多いという差も恐怖の側へ寄せず、産地での低減対策が続いていることと合わせて読みます。玄米と精米の差は事実として持ち、行動の指示には変えません。