沸騰させる
加熱する
動かすもの: 温度
火にかけて沸かす工程で、でんぷんの糊化は60℃付近から始まります。ただしその温度のまま置いても糊化は進みきらず、完全に進むまでに65℃では十数時間を要し、98℃なら20〜30分で足りるとされています。
図: 炊飯の加熱の時間配分
農林水産省の区分。温度上昇 約10分・沸騰 約5分・蒸し煮 10〜15分で、後ろ2つの合計が「98℃以上で約20分」にあたる。蒸らしの約10分はこの合計に含まない。
何が起きているか
加熱を進めると、水を吸った米のでんぷんが粒の内部からほどけていく。農林水産省は60℃付近で糊化(α化)が始まるとしています。炊飯の加熱は温度上昇期約10分・沸騰期約5分と区分され、そのあとに蒸し煮にする区間が続きます。沸き立ったあとの温度は100℃付近で止まるため、ここから先は時間の話に移ります。
動かす数字
糊化が始まるのは60〜65℃付近ですが、その温度のまま置いても糊化は進みきりません。檜作進(1970)は65℃では十数時間を要し、98℃なら20〜30分で十分だと書いています。動かす数字は温度で、98℃以上に達したかどうかが糊化(α化)の完了を分けます。達しなかった部分は芯が残ったまま残り、そこだけ硬さが違います。
台所での測り方
鍋で炊くなら蓋のすき間から蒸気が連続して出る状態を沸騰の目安にし、そこから火を弱めて蒸し煮にするへ移ります。台所の道具で釜の中の温度を直接測るのは難しいため、蒸気の出方と、点火から沸騰までにかかった時間を記録します。音や湯気の変わる位置は鍋ごとに違うので、同じ鍋で繰り返して覚えます。炊飯器にまかせる場合は合図が鳴るまで手を加えません。
よくある失敗
低い温度で長く加熱すれば糊化すると考えて60〜70℃で通すと、芯が残った状態になります。低温で時間をかける調理法の話と、炊飯の糊化の話が混ざったときに起きやすい失敗です。逆に沸騰を確かめるたびに蓋を開けると温度が下がり、炊いている間は蓋を開けてはいけないという作法が意味を持つ場面を自分で崩します。温度が読めない以上、開けた回数と時刻を残すしかありません。