玄米は消化が悪い?
体と栄養
消化率を直接比べた研究は見当たりません。裏づけがあるのは炊き方の側で、ぬか層が吸水を妨げるため浸す時間を長くとる、という説明が中心です。
言われていること
玄米は食物繊維が多く消化に時間がかかる、よく噛まないと胃に負担がかかる、という説明が健康関連の記事で広く共有されています。胃腸の弱い人には白米をという言い方とセットで語られ、体調を崩したときは白米に戻すという助言も添えられます。玄米を勧める記事でも、噛む回数の話は繰り返し出てきます。
測るとどうか
食物繊維総量は日本食品標準成分表で玄米3.0g・精白米0.5g(水稲穀粒100gあたり)と差があります。ただし消化率を直接比べた研究は見当たりません。炊き方の側には裏づけがあり、檜作進 1970 は、内部まで水が届かないまま炊くと中心部の糊化が悪く、冷めると固いしんができ、その部分の老化が速いと述べています。
誰が・何を・どう測ったか
成分の値は日本食品標準成分表(プロスキー変法)、糊化の記述は檜作進(調理科学 1970)です。人が玄米と白米を食べて、消化率や胃内の滞留時間を比べた研究は、公的機関と学会誌を探した範囲では見当たりませんでした。噛む回数を条件にした試験も、玄米を主食にしている人を対象にした調査も確認できていません。
だからどうする
炊き方の条件を先に埋めます。ぬか層が水を通しにくいので玄米を浸す時間を長くとり、玄米が硬いなら水加減と浸す時間から見直します。よく噛むことは、硬く炊けた玄米ではとくに要ります。時間を確保できない日は、白米に混ぜて炊く方法もあります。水を増やすだけでは足りません。持病や治療があるときは、自己判断せず医師や管理栄養士に相談してください。
まだ分かっていないこと
玄米と白米で消化率がどれだけ違うのか、そもそも違うのかが測られていません。浸す時間を十分にとって炊いた玄米と、短く炊いた玄米で差が出るのかも分かっていません。分づき米がその途中のどこに位置するのかも実測は見当たらず、よく噛むと何が変わるのかも、白米に混ぜたときの値も数値になっていません。