低張性
液性・浸透圧・泉温の区分
区分: 浸透圧
溶存物質が8 000mg/kgに満たない湯の区分です。凝固点がマイナス0.55℃以上という、もう一つの物差しでも同じ線が引かれます。
どんな成分でこの名前になるか
物差しは二本あり、どちらか一方で決まります。溶存物質(ガス性のものを除く)が8 000mg/kg未満、または凝固点がマイナス0.55℃以上です(環境省 2014、指針1-2(3))。遊離二酸化炭素や遊離硫化水素は、ガス性のものとして数から外れます。分析書ではその合計が溶存物質計の欄に当たり、ガスまで足した成分総計のほうではありません。
掲示ではこう書かれる
括弧の中では先頭に来ます。療養泉の泉質名の後ろに浸透圧・液性・泉温の順で並べるのが通例で、指針の記載例も「(高張性弱アルカリ性高温泉)」と同じ順です。掲示ではそこへ中黒を入れた形をよく見ます。三つのうち浸透圧だけが量から決まる語で、残る二つはpHと温度から決まります。分析書で対応するのは浸透圧・液性・泉温の併記の欄です。
湯の見た目と肌ざわり
濃さの区分は、色にもにごりにも出ません。8 000mg/kgは湯1kgあたりの重さの合計で、1%に満たない量です。それでも無色澄明の湯ばかりとは言い切れず、微量でも濃い色の成分があれば湯は染まります。浸かって分かるのは温度と手ざわりだけで、濃さのほうは蒸発残留物や溶存物質の欄に書かれた数字から読みます。同じ区分の中でも溶けている成分の種類はさまざまで、湯の花の浮く湯もここに入ります。
昔の呼び名
旧泉質名は、濃さを名前の側で言い分けていました。食塩泉には弱食塩泉と強食塩泉という区別があり、濃さが泉質名に組み込まれていたわけです。今の分類はそれを二手に分け、合計の濃さは括弧の浸透圧へ、強塩泉の付記は泉質名へと置き場所を変えました。付記の側の決まりは塩化物泉にあります。低張性という語は旧泉質名の欄に現れません。対照表は三つの名を横に並べる作りなので、濃さの語がどこへ移ったかは行をたどれば追えます。