高張性
液性・浸透圧・泉温の区分
区分: 浸透圧
溶存物質が10 000mg/kg以上の湯の区分です。塩化物泉に付く強塩泉の付記とは、量る対象も置き場所も違います。
どんな成分でこの名前になるか
境目は溶存物質10 000mg/kg以上、凝固点ならマイナス0.58℃未満です(環境省 2014、指針1-2(3))。紛らわしいのが塩化物泉に付く強塩泉の付記で、あちらはナトリウム5 500mg/kg以上・塩化物8 500mg/kg以上という二つのイオンの量で決まります。合計で見るのが高張性、内訳で見るのが強塩泉なので、片方だけが当てはまる湯もあります。
掲示ではこう書かれる
括弧の先頭に「高張性」と出ます。同じ壁の中では、温泉法第18条第1項第三号が掲げる「入浴又は飲用上の注意」の欄と合わせて読む語で、そこには入浴の時間や回数についての文言が置かれます。文言の中身は施設ごとに掲げられたものなので、この本は欄があることまでにとどめます。掲示の決まりは温泉の成分等の掲示、入りかたの側は入浴の温度と時間にあります。
湯の見た目と肌ざわり
1%を超える濃さでも、見た目からは分かりません。無色のまま10 000mg/kgを超える湯があり、色やにごりは赤褐色のにごりのように別の成分が作ります。上がったあと肌や床に白い析出物が残ることがあり、その量の目安は蒸発残留物の欄にあります。析出物の付きやすさは成分の種類でも変わるので、濃さだけで決まるものではありません。濃さの上下は掲示の区分であって、湯の優劣を表すものではありません。
昔の呼び名
対照表の旧泉質名の欄に、浸透圧の語はありません。濃さを名前に持っていたのは食塩泉の系統だけで、ほかの旧名は濃さを言い分けていません。今の区分は溶存物質の合計に加えて凝固点マイナス0.58℃という物差しでも判定でき、その物差しは旧泉質名の側には無いものです。古い名を読んでも、そこから浸透圧の区分は復元できません。古い名が並ぶのは旧泉質名の併記の欄です。