育てる作物図鑑 | オトモアグリ

水菜は、大株にせず小さいうちに採るほうがこの系に合う作物です。

水菜
写真: Uo3rt / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

向き

よく育つ

系との相性

株の大きさを選べるのが利点です。日本種苗協会の秋まきは1株2〜3kgの大株どりで、晩夏にまいて初霜のあとに採るまで床を数か月ふさぎます。小さいうちに抜けば、同じ面積を何度も回せます。低い水温でも葉数が増えるので、ヤマメ・アマゴのように15℃前後で回す系とも噛み合います。床の面積は餌の量と釣り合う資源で、魚を増やせない系ほど先に埋まります(→魚と野菜のつり合いは餌の量で決まる?)。

ヤマメ・アマゴ
ヤマメ・アマゴ写真: KENPEI / CC BY-SA 3.0

必要な養分

小松菜と同じく窒素中心で、硝酸態窒素(NO₃-N)がたまっていれば足ります。ただし、Nicoletto ら(2018)が水菜をNFTで育てた実験では、リンとカリウムが減った魚の水は足さないと収量が低く、養分を足すと水耕の対照並みになりました。日本種苗協会は生育できる温度を5〜35℃と幅広く置いています。密に植えるほど1株の取り分は減るので、株数を増やしたぶんだけ、餌の量と葉色の変化を一緒に見ていきます。

小松菜
小松菜写真: 日陰猫Joga at Japanese Wikipedia / CC BY-SA 3.0

出やすい不調

発芽直後から5〜7℃に20日以上あたると花芽ができ、暖かくなってから一気にとう立ちします。密に植えると株もとに水が滞り、風が抜けずに蒸れて、根が茶色くぬめるほうへ進みます。種苗会社のタキイ種苗は、25℃以上で徒長が進み、高温期は軟腐病に注意としています。小株どりなら、とう立ちや蒸れが起きる前に抜き終えられます。熊本県立大学の近藤ら(2008)の肥料の実験では、水菜は施肥が多すぎると生育が落ち、株の硝酸イオン濃度も上がりました。

収穫までの目安

JAさがの家庭菜園の案内(直まきの例)では、種まきから約3日で発芽し、種まきから約35日後、草丈が30cmほどになったら随時、根から引き抜いて収穫するとされています。タキイ種苗の栽培マニュアル(種苗会社の資料)は発芽の適温を20〜25℃とし、25℃以上では徒長して葉が淡くなり、15℃以下では生長が鈍るとしています。高温期の床では、25℃以上にならない温度管理が要ります。

解説動画

視聴済み

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そらのかおり

の解説動画

ペットボトルで何度も収穫♪【ミズナ水耕栽培】種まき~収穫~撤収・現在の様子まで

まき時と温度

動画は水菜の種まき時期を2月下旬から11月まで、生育できる温度を5〜30℃と紹介し、-5℃ほどの寒さまで耐えるとしています。鍋に入れるものという印象から冬も育つだろうと思って夏の終わりに始めたが、暑すぎても成長は止まるので、始めるなら春か秋だろうと述べる。早ければ25日あたりから採れるとも言い添えます。

うっすらかぶせる

1Lのペットボトルを切り、お茶パックにバーミキュライトを入れて種をまきます。水菜は好光性種子なので、覆うのは種が隠れる程度。5日で芽がそろい、混みすぎた分は間引いています。容器は本数が少なければアルミシートを巻いて遮光するとよいとし、今回は6本がちょうど収まる箱にまとめて入れました。

根は浸けきらない

液を入れる高さについて、動画は根の4分の1から半分ほどが浸かっていればよいと言います。入れすぎには注意が要るとも言い、肥料は減ったぶんを継ぎ足すだけで、全部を替えてはいません。途中でペットボトルの側面に穴を開け、下の液へ直に足せるようにしました(→根が使う酸素)。

株元を残して採る

30日で1回目の収穫です。株元と内側の小さい葉を残して切り取ると、1週間ほどでまた葉が立ち上がり、10日後には2度目がざるいっぱい採れました。切ったあとも根は白くて元気だったので、そのまま栽培を続けている。株ごと抜いてしまわず、同じ株から繰り返し採る形で回すのが利点だと述べます。

寒くなると間が空く

気温が下がると同じようには戻りません。11月下旬にさしかかると勢いは落ち、3度目の収穫は2度目の2倍の20日後。その2か月後には成長が止まって葉が硬くなりました。世話が遠のいて水切れを起こし、ここで撤収します。容器には藻が出ていたので洗い直せたのはよかったと述べ、2月末にまき直します(→水が緑色になる)。

出典: そらのかおり(YouTube)で動画を見る ▶

出典

  1. 論文・英語 Nicoletto C ほか(2018) Extension of Aquaponic Water Use for NFT Baby-Leaf Production: Mizuna and Rocket Salad
  2. 論文 近藤謙介・竹下あゆみ・松添直隆(熊本県立大学)(2008) 施肥量の違いがミズナおよびコマツナの生育と硝酸イオン濃度に及ぼす影響
  3. 論文・英語 Darby EW ほか(2025) Light intensity and photoperiod interact to alter the phytonutrient profile and light-use efficiency of mizuna grown for the space diet
  4. 論文・英語 Jayalath TC・van Iersel MW(2021) Canopy Size and Light Use Efficiency Explain Growth Differences between Lettuce and Mizuna in Vertical Farms
  5. 資料 タキイ種苗(種苗会社) ミズナ・ミブナ栽培マニュアル
  6. 資料 JAさが(佐賀県農業協同組合)・家庭菜園の案内 水菜|お手軽家庭菜園|家庭菜園のススメ