熾火の作り方と、網・鉄板・スキレットの使い分け。
焚き火で焼く料理は、炎ではなく熾火で作ります。最初に、キャンプ場で直火が使えるか、焚き火台の指定があるかを確かめます(米国国立公園局)。林野火災注意報や警報が出ている乾燥・強風の日は、屋外で火を使いません(林野庁)。火は焼き始めたい時刻よりかなり前に起こし、炎が落ちて熾火が十分に溜まってから鍋を載せます(ウェールズ天然資源機構)。炎の中へ鍋を直接置くと、鍋も食材も焦げます(パデュー大学普及部)。熾火を早く作るなら、太い薪より早く崩れる細い枝を燃やします(同)。薪ごとの燃え方はスギやクヌギの項目にあります。
焼き場は、火を育てる側と熾火で焼く側に分けます。焚き火台の片側で薪を燃やし続け、できた熾火をもう片側へ送ると、長く焼いても熾火が切れません(ウェールズ天然資源機構)。熾火は木の枝をすぐ燃やすほど熱いので、動かすときは火ばさみのような金属の道具を使います(パデュー大学普及部)。火加減は、熾火の上約15cmに手をかざして測ります。4秒耐えられれば中火、3秒なら中強火です(同)。熾火を広げれば火は弱まり、寄せれば強まります(同)。残り火に着火剤を継ぎ足すと炎が噴き上がり、2〜3m離れた人の服まで燃えた事故があります(製品評価技術基盤機構)。
焚き火用五徳に載せる網は、熾火の熱を食材へ直接当てます。焼き鳥や焼き野菜のように並べて焼く料理に使い、網には先に油を薄く塗ってくっつきを防ぎます(パデュー大学普及部)。スキレットと鉄板は非常に熱くなるので、下の火を大きくしすぎないようにします。強すぎると中まで火が通る前に焦げます(ウェールズ天然資源機構)。ステーキやちゃんちゃん焼きは、熾火を寄せる量で火加減を整えます。柄もすぐ熱くなるので、耐熱グローブを手元に置きます(パデュー大学普及部)。ダッチオーブンは脚で熾火から浮かせて置き、ふたの上にも熾火を載せるとオーブンになります(同)。焼くときは上の熾火を多く、下を少なくします(同)。ピザなら約20分、チーズが泡立てば焼き上がりです(ウェールズ天然資源機構)。
食材の段取りは家で済ませます。ホイル焼きの包みは家で作ってクーラーボックスに入れておけば、現地では熾火に置くだけです(パデュー大学普及部)。厚手のホイルで包み、閉じ目がしっかりしていれば途中で返して底の焦げを防げます(同)。高い食材に頼らない料理は、日持ちする材料と熾火の時間を組み合わせて作ります。じゃがいもは丸ごとホイルに包んで約1時間焼けます(同)。ゆでてつぶしたじゃがいもに小麦粉を混ぜ、厚さ1cmに伸ばせば、スキレットで片面3〜4分焼く平たいスコーンになります(ウェールズ天然資源機構)。乾燥した赤いんげん豆を煮込むなら、5時間以上水に浸けてその水を捨て、10分以上強く沸騰させてから弱火に移します。ゆるい火だけで煮ると、豆のレクチンが壊れず吐き気や下痢を起こします(カナダ保健省)。缶詰の赤いんげん豆は缶詰にするときの加熱で足りているので、煮直さなくても食べられます(同)。
肉と魚は、保冷剤を入れたクーラーボックスで冷やして日陰に置き、ほかの食品と触れないようにします(農林水産省近畿農政局)。冷やさずに置くのは2時間まで、気温が32℃を超える日は1時間までです(クレムソン大学普及部)。生の肉をつかむトングと、焼けた肉を取る箸は分けます(近畿農政局)。焼き上がりの目安は、中心温度75℃で1分以上の加熱と、肉汁が透明で中心が白っぽくなった状態です(厚生労働省)。野外のバーベキューは火加減が難しく、生焼けになりやすい料理です(同)。
火の後始末は、食べ終わる前から始めます。薪と炭は灰になるまで燃やし切るので(米国国立公園局)、寝る時刻から逆算して薪を足すのをやめます。白や灰色になった熾火は何時間も熱を保ち、風が吹くと再び燃え上がります(同)。消すときは、ジュッという音が止むまで水をかけ、燃え残りをかき混ぜ、もう一度水をかけてから、手の甲を灰の上にかざして熱が残っていないかを確かめます(Smokey Bear)。熱くて触れないうちは、その場を離れません(米国国立公園局)。使い残した熾火は火消し壺に移して消せます。
出典
- 公的機関・英語 ウェールズ天然資源機構(Natural Resources Wales) Information Note: Campfire Cooking
- 公的機関・英語 パデュー大学普及部 アレン郡 Outdoor Cooking(4-H プロジェクトの手引き)
- 公的機関・英語 米国国立公園局(NPS)(2017) Campfires
- 公的機関・英語 米国国立公園局(NPS)(2022) Leave No Trace Seven Principles
- 公的機関 林野庁 山火事予防
- 公的機関・英語 Ad Council・全米州森林長協会・米国農務省森林局(USDA Forest Service) Campfire Safety
- 公的機関 NITE(製品評価技術基盤機構)(2024) 製品安全情報マガジン Vol.457「夏に気を付けていただきたい製品事故3選」
- 公的機関 農林水産省 近畿農政局 バーベキューを安全に楽しむための食中毒予防のポイント
- 公的機関 厚生労働省 食中毒予防:お肉はよく加熱して食べよう
- 公的機関・英語 クレムソン大学普及部(Faith C. Isreal・Karen E. Jackson)(2022) Food Safety for Camping(HGIC 3887)
- 公的機関・英語 カナダ保健省(Health Canada)(2017) Lectins in Dry Legumes














