攻略 | オトモマッスル

手入れを最小限に戻して、肌を休ませる。

肌が荒れているときの手入れは、足すことより減らすことから組み立てます。ヒリつき・赤み・かゆみが出た時点で決めるのは3つです。原因と思われる製品をやめること、残す製品を洗う・うるおす・防ぐの最小限に絞ること、落ち着くまで新しい製品を足さないことです。

外すのは、刺激が出やすい成分の入った製品からです。目に見える炎症が無くても、しみる・焼けるような感じ・かゆみを起こしうる成分として、ヒドロキシ酸・乳酸・エタノール・プロピレングリコール・過酸化ベンゾイル・トレチノインなどが挙げられています(Patel ら、2022年)。AHA(グリコール酸・乳酸)やレチノールの入った製品は、荒れている間は止めます。弱い刺激でも、バリアが戻りきる前に次の刺激が重なると、皮膚炎は少しずつ進みます。刺激が複数重なると炎症の反応は強まり、強まり方は予測できません(同)。1本ずつ様子を見ながら外すより、まとめて最小限に戻すほうが早く刺激の数を減らせます。

AHA(グリコール酸・乳酸)
AHA(グリコール酸・乳酸)写真: Jynto (talk) / CC0
レチノール
レチノール写真: Michael D. Turnbull / CC0

残すのは、洗顔料・保湿剤・日焼け止めの3本が目安です。洗うときはぬるま湯と指先だけを使い、こすらず、柔らかいタオルで押さえて水気を取ります。洗顔用の布やメッシュのスポンジも刺激になりうるとされます(米国皮膚科学会)。界面活性剤は種類によって洗浄力に幅があるため、荒れている間は洗浄力の強いクレンジングを避けます。保湿剤は、香料を加えていないものを選びます。香料は刺激やアレルギー反応の原因になりうるためです(米国皮膚科学会、2025年)。脂質の多い保湿剤は、少ない保湿剤より刺激による皮膚炎を防いだとされます(Patel ら、2022年)。

防腐の成分は、急いで外すものではありません。パラベンやフェノキシエタノールは、製品の中で微生物が増えるのを抑えるために入っています。「パラベンフリー」の製品も、ほかの防腐剤に置き換えているだけです。「パラベンフリーの方が安全」という説にならって製品を総入れ替えすると、入れ替えた本数だけ原因の候補が増えます。

パラベン
パラベン写真: Fvasconcellos 15:30, 24 April 2007 (UTC) / Public domain
フェノキシエタノール
フェノキシエタノール写真: Emeldir (talk) / Public domain

戻すまでの時間は、数日単位で見ます。テープや溶剤で壊した角層のバリアは、20〜30歳の人で24時間後に50%、72時間後に80%まで戻りました。80歳を超える人では、24時間後に15%しか戻っていません(Ghadially ら、1995年)。落ち着いたら、外した製品を1本ずつ、数日から1週間の間隔をあけて戻します。どの製品で荒れたかを確かめるには、二の腕で先に試すパッチテストを使います。3本だけの手入れは、朝晩とも数分で終わります。

やめても赤みやかゆみが強まっていくとき、腫れ・水ぶくれ・強い痛みがあるとき、数日たっても引かないときは、自己判断を続けず皮膚科を受診してください。刺激による皮膚炎は原因から離れると引いていくのに対し、アレルギーによる皮膚炎は原因を除いても悪化することがあります(Patel ら、2022年)。

出典

  1. 論文・英語 Patel K, Nixon R(2022) Irritant Contact Dermatitis — a Review
  2. 論文・英語 Ghadially R, Brown BE, Sequeira-Martin SM, Feingold KR, Elias PM(1995) The aged epidermal permeability barrier. Structural, functional, and lipid biochemical abnormalities in humans and a senescent murine model
  3. 公的機関・英語 American Academy of Dermatology Face washing 101
  4. 公的機関・英語 American Academy of Dermatology(Marisa Garshick, MD)(2025) A dermatologist's guide to skincare from growing up to glowing up