編成・ドラフト・カウンター

ピック・カウンター・編成の相性

良い編成・悪い編成とは何か

多くのプレイヤーやコーチは、自分の編成が良いか悪いかを感覚では分かっても、言葉で説明できないことが多い。良い編成とは、まず5人全員の強みを引き出せていること、そして今のパッチとゲームの速さに合っていることが土台になる。その上で自分のチームの戦い方に沿っていて、さらに相手の中心となる戦略を封じられれば理想的だ。

逆に悪い編成は、各プレイヤーの得意なヒーロー(ヒーロープール)を無視して戦い方に合わない構成を無理に組んだり、今の流行から外れたり、勝ち筋そのものを相手に対策されている状態を指す。すべての条件を1試合で満たすのは難しいが、多くを押さえられていれば強い編成と言える。

編成を組む4つの軸

編成を考えるときの柱は4つある。プレイヤーそれぞれの得意ヒーロー、今のパッチで強いヒーロー、チーム全体の戦い方、そして相手の編成戦略だ。この4つに、コーチ自身の考え方や哲学が加わって、最終的なドラフトの方針が決まる。

どれか一つに偏るのではなく、これらを組み合わせて全体像を描くことが、安定した編成づくりの前提になる。次からこの4つを順に見ていく。

軸1 プレイヤーの得意ヒーローを軸に組む

強豪チームには、そのプレイヤーならではの珍しく強力な得意ヒーローを持つ選手がいる。ある選手が看板とするピックがあると、それが編成全体の組み方を大きく左右する。

例えば、育ちきると強くなるスケーリング型のヒーローを軸に置く場合、序盤に資源が要る。そこで上下レーンにレーンの主導権を取りやすいヒーローを添え、その育成環境を整える。核となる選手が育てば、一人で複数人を相手取れるほどの脅威になり、個人の強さをマップ全体の圧力=チーム全体の優位へと変えられる。看板ピックを持つ選手がいるなら、それを最大限活かすよう周りを最適化するのが有効だ。

軸2 パッチ強ヒーローと『バンより先取り』

今はデータが揃っているので、どのヒーローが強くどれが弱いかは誰でも分かる。特に相性の良い強力な組み合わせは、ピックまたはバンされやすい。強いヒーロー同士がうまく噛み合うと、1+1が2を超える相乗効果が生まれるからだ。

ここで高度な考え方として『バンする代わりに先に取る』がある。相手が完成させたい組み合わせを、禁止(バン)するのではなく、その部品となるヒーローを自分が選んで奪ってしまう。相手の狙いを崩しつつ、自分の編成の相乗効果も高められる一石二鳥の手だ。

軸3 チームの戦い方と核を中心に据える

強いチームほど、状況に応じて核となるレーンを変えつつも『真の核となる選手』は常に一定という、明確な戦い方を持つ。核の選手が看板ヒーローを取ったら、残りのドラフトはそのピックを支え、足りない役割を埋める形で回っていく。

例えば主力のマークスマンを取ったら、そのレーンの圧力を最大化し育成を早めるサポートを添え、集団戦で活きる環境を作るヒーローも足す。序盤は資源を核に集中させるため他の枠が金量で遅れることもあるが、中盤には核が相手を追い抜き、その一点集中がチーム全体の優位に変わる。

軸4 相手の編成を狙い撃つカウンターBP

相手が取りそうなピックや看板編成が読めているなら、あらかじめ準備してその影響力を直接削ぐ編成を組める。相手のレーンや集団戦での中心ヒーローに強いピックを合わせに行くのがカウンターBPの本質だ。

さらに、特定の選手が高い勝率を誇る得意ヒーローがいる場合、最初の2つのバンでそれを消してしまうのが最も効く。相手がその1体や特定編成に大きく依存しているほど、序盤の狙い撃ちが相手の計画全体を崩し、得意な形を作らせない。核となる選手を狙うなら、バンは早いほど良い。

『全力ピック』と『わざと1本捨てる』の駆け引き

使えるヒーローの幅が狭く、強いヒーローや個人の得意ヒーローが限られる形式では、極端な二つの戦略が生まれる。一つは強ピックを1試合に全部つぎ込む全力型。ただし4〜5体の強ヒーローを集めても、川での小競り合い向きとジャングル侵攻向きのように役割が噛み合わなければ機能せず、リスクが高い。

もう一つは、あえて1試合を捨てて相手に強ピックを吐かせる作戦だ。相手の主力編成を釣り出せれば、後の試合で安全なピックからそれを対策できる。ただし短い試合形式(BO5など)で序盤に1本落とすと巻き返しが難しく、長い形式向きの賭けになる。

実戦で信頼できるのはバランス型と事前準備

最も安定するのは、極端に振らずバランスを取る道だ。選手の強みに基づいて2〜3種類の練習済み編成スタイルを用意し、それを事前の計画に組み込んでおく。

体系立てて編成を作るには、コーチが各選手のヒーロープールを把握し、全員の意思が揃うまで練習した集団戦の型を持つことが欠かせない。どれだけ紙の上で強く見えても、練習していない編成を本番で使ってはいけない。ヒーローの理解と連携が揃って初めて機能する。その上で看板ピックやカウンター編成を積み上げ、自分の編成が何に強く何に弱いかを正確に把握しておくことが、一歩先を行く鍵になる。

ドラフトの重要性と試合展開

試合の展開はドラフト(ヒーローの選択とバン)によって大きく左右されます。ドラフトの段階で、ゲーム全体のペースや有利不利がある程度決まります。

チーム構成の分析

自チームはアサシンと、瞬間火力に特化したヒーローを含み、ミドルレーナーが瞬間火力を出せないため、ジャングルのヒーローが瞬間火力を提供することで、序盤から優位を築く構成です。一方、相手チームには終盤に強くなるアレンやマルコ・ポーロ、孫悟空といったヒーローが多く、サポートには回復や耐久力のあるヒーローがいます。

相手の序盤のダメージ出力は比較的低いため、自チームは序盤の強みを活かしやすい構成と言えます。

序盤の有利と終盤の危機

この試合では、自チームは序盤に優位に立ちました。しかし、自チームには敵の攻撃を長時間受け止められる重い前衛(タンク役)が不足しており、相手チームには回復や耐久力の高いヒーローがいたため、試合が終盤にもつれ込むと不利になる危険性がありました。

序盤に強い構成の場合、早く試合を終わらせなければ危機に陥ります。

終盤の課題とチームの連携

終盤になると、ドラフトの有利不利はあまり重要ではなくなり、個々のスキルとマクロな動き(全体的な戦略や判断力)が勝敗を分けます。特に終盤は、敵ヒーローを孤立させて倒すことや待ち伏せが重要になります。

自チームはドラフトで有利だったにもかかわらず、チームがその構成をどうプレイすべきかを理解していなかったり、終盤に連携が取れなかったりすると、勝つチャンスは大幅に減少します。

結論:一貫性と規律

どのようなチーム構成にも長所と短所があり、究極的に優れた構成というものはありません。一つでも間違った動きをすると敗北につながることがよくあります。

ゲームに勝利するためには、試合の最後まで一貫したプレイと規律を保ち、特に終盤でチームとの再集結を怠らないことが重要です。

カウンターの本質はスキル同士の相性

サポート同士は互いに硬く、たとえ6装備そろえても1対1で倒し切るのは難しい。それでもカウンターピックが成立するのは、勝敗が「一体が一体を倒せるか」ではなく「自分のスキルが相手のスキルをどれだけ無力化できるか」で決まるからだ。

つまり相手の主軸となる動きを、こちらのスキルで潰せるかどうかを見る。相手の拘束を免疫や解除で無効化できる、相手の起点スキルを妨害できる、といった相性を積み上げるのがサポート選択の考え方になる。

ドラフト順を利用して後出しで刺す

ルール上サポートは味方の中で先にヒーローを決める役割になりやすく、逆に言えば相手のサポートが先に見えていれば、自分の番でそこに強いヒーローを合わせられる。相手が特定のサポートを出した瞬間、それを狩れる選択肢が見えてくる。

この後出しの利を意識するだけで、サポート対決の主導権を取りやすくなる。相手の起点役に対して有利なスキル構成を意図的に重ねていくのがドラフトの基本だ。

レベル4前の早い時間帯は1対1が起きやすい

序盤、レベル4になる前は経済差がまだ小さく、サポートとメイジのスキルダメージが拮抗する。この時間帯はサポート同士の1対1が起きやすく、カウンター相性が実際の撃ち合いにも効いてくる。

逆に言えば、序盤で撃ち勝てる相性を持っておくと相手のサポートを一方的に牽制でき、相手のメイジやサポートを萎縮させて味方の立ち上がりを助けられる。

集団戦で価値が出るスキルを優先する

サポートには大きく二つの型がある。単独の相手を捕まえて一方的に仕留める型と、集団戦で複数を巻き込むCC(行動妨害)やダメージ吸収に強い型だ。孤立狩り型は相手を分断できれば強いが、味方が固まって動く集団戦の局面ではスキルを持て余しやすい。

Honor of Kingsは集団戦が頻発し終盤ほど全員が固まって動くため、複数を同時に巻き込めるサポートの方が試合を通じて仕事量が多い。孤立狩り型に対しては、集団戦で腐らない広範囲CC型を合わせると刺さりやすい。

免疫・解除・妨害で相手の切り札を無力化する

チェーンで繰り返し出てくる勝ち筋が、相手の切り札スキルを免疫・解除・妨害で無効化する形だ。フックや吸引で捕まえるタイプには、味方への貼り付きや免疫で捕獲そのものを外す。範囲拘束の奥義には、味方を巻き込み前に解除スキルを差し込んで拘束を剥がす。

さらに相手の強力な奥義が発動前に硬直や溜め時間を持つなら、そこにこちらのスタンや割り込みを合わせれば奥義ごと止められる。相手の一番の武器がどのスキルで、それを外す・止める手段を自分が持っているかを軸に選ぶとよい。

早取りしないなら味方構成に合わせて選ぶ

ドラフトで早取りできなかった場合の指針は二つ。ひとつは相手の紙装甲アタッカー、とくに複数回の突進を持つアサシン系に強いサポートを選ぶこと。捕まえたら逃さない抑制系の拘束を持つヒーローが刺さりやすい。

もうひとつは味方構成に噛み合わせること。味方が範囲瞬間火力を出せる構成なら、敵を一箇所に固めるCC型サポートを合わせることで火力を最大化でき、試合全体の勝率を押し上げられる。

チーム構成の特性と序盤の戦い方

このチーム構成は、敵を個別に排除することや別レーンを単独で押し込むことに強みがあります。しかし、序盤は味方サポートヒーローの特性もあり、積極的に戦闘を仕掛ける力が低いため、集団戦は避けるべきです。

敵チームがグループで行動する際に強さを発揮するなら、特に注意が必要です。

集団戦の回避と各個撃破

敵チームが固まって行動する集団戦では不利になるため、直接的な衝突は避けます。代わりに、敵をバラバラに引き離し、一人ずつ倒す各個撃破を狙います。

これが成功すれば、敵に数的優位を築きながら有利に立ち回れます。

マップコントロールと敵の混乱を誘う

敵がファームレーンを強くプッシュしている場合、敵のジャングルモンスターを狩ってゴールドを稼ぎ、相手の行動を咎めることが重要です。別レーンを単独で押し込むことを積極的に行うと、敵のメンバーを分散させ、マップ全体に圧力をかけ、どのレーンを守るべきかという混乱を誘えます。

チーム構成への理解の重要性

異なるチーム構成にはそれぞれ異なる戦い方があります。自分のチームと敵チームの構成を理解し、それに応じた戦略を立てることが勝利への鍵です。

他のヒーローで使っていた戦略が、このチーム構成や対戦相手には合わない場合もあるため、柔軟な思考が求められます。