要約を書く

頭に残す

短くまとめる。ただし書き方を習っていないと効きにくい

どんな技?

一章を読み終えたら本を閉じ、要点だけを自分の文で短く書き直します。原文の文を抜き出してつなぐのではなく、何を残して何を捨てるかを決める作業が中心になります。字数を先に決めると、選んで捨てる判断がいやおうなく起きます。手を動かすのは短い一本で、時間をかけるのは選ぶ側です。長さを守れないときは、章ではなく節の単位に下げます。

なぜ効くのか

短くするには、どれが上位の主張でどれが例なのかを判断しなければなりません。この判断は認知負荷が高く、読んだ内容の構造を組み直すことになります。自分の言葉で言い直すと近い作業ですが、こちらは捨てる判断が加わる分だけ重いです。重いぶん手応えは当てになりません。うまく書けた感じがしないまま終わることもあります。

やり方

一章ごとに、本を見ないで100字前後にまとめます。主張を1文、根拠を1文、引っかかった点を1文という型にすると迷いません。型は毎回同じにします。書いたあとで本を開き、落とした要点を足します。書けない章は、まだ読めていない章だと考えて、その節だけ読み直します。慣れるまでは1章あたり10分ほどかかるので、要所だけに絞ります。

はまりどころ

書き方を習わないまま続けても効きにくい技です。原文の文を切り貼りしただけの要約では、捨てる判断が起きません。長く書くほど楽になるため、字数の上限がないと崩れます。手間がかかるので全部の資料には向かず、読む目的を決めるで絞った所に使います。何度も読み直して済ませたくなりますが、何度も読み返して覚えるでは代わりになりません。

確かめられ方

Dunlosky ら 2013 の総説では、要約は有用性が低いという評価に置かれています。効果が出たのは作り方を訓練した条件が多く、訓練のない条件では差が出にくいと整理されています。対象は学生と課題文が中心で、評価が低い理由は効かないことではなく、使い手の技量と訓練にかかる手間に左右される点にあります。

解説動画(海外・英語): How to Write a Summary/Smrt English

毎日していること: ニュースで読んだ話を人に伝える、映画の筋を友だちに話す、休んだ同級生に授業の中身を教える——要約は日ごろからしていることだと切り出します。それでも学びの場で書く形になると難しいと感じる人が多い。動画はそこで、うまくいく要約の作り方を助言の形で順に挙げていきます。

読んでいない人に: 要約は、元の材料を読んでも見ても聞いてもいない人にとって分かるものでなければならない、とされます。読み手が元をたどらなくても理解できるだけの欠かせない情報を入れる——つまり主要な点をすべて拾うこと。それがほぼ要約というものの中身だ、という押さえ方です。

主要な点で止める: 同時に、主要な点より外へは出ません。要約はできるだけ短くあるべきで、数字や統計、日付、図表といった細かいところに寄っていかないよう念を押します。それらは読み手が理解するのにどうしても要るときだけ入れる。簡潔に、書き込みすぎないのが要約だと繰り返します。

段落の形をとる: 良い要約は段落の形を保つとされます。主題文・支える文・結びの文という組み立てで、主題文には元の題名や書き手、話し手を出して要約だと分かるようにする。支える文が主要な点で、並びは元と同じ順にします。ただし物語などで元が時系列に並んでいないときは、読みやすい順へ入れ替えてよいとされます。

自分の言葉で書く: 最後に二つ。元の文を引用や貼り付けで持ってこないで、言い換えて自分の言葉にすること。そして自分の意見を入れないこと——他人の書いたものや講義を報告している立場だからです。言い換えの手つきは自分の言葉で言い直すと地続きで、そこに短くする判断が加わります。