読んで唱えて見直す
頭に残す
一節読んだら本を閉じて口に出し、それから見直す
どんな技?
1節分を読んだところで本を閉じ、いま頭にある中身を何も見ずに声に出して言います。言い終えてからページを開き、抜けた箇所と間違えた箇所だけを見直します。読む・唱える・見直すの3つを節ごとに1回ずつ回す形にして、唱えるときの手がかりには見出しや図を使います。1回で言えなくても、開いて確かめてからもう一度閉じます。
なぜ効くのか
効いているのは唱える段階です。閉じてから言うと思い出す練習と同じ手続きになり、符号化と想起のうち想起の側を1回はさむことになります。見直しはその答え合わせで、言えなかった箇所を突きつけるためわかった気のまま先へ進みにくくなります。読み返すだけの回に比べ手ざわりは悪くなりますが、その悪さは思い出す手間がかかっている印です。
やり方
2〜3ページか1節を区切りにして読み、本を閉じて1分ほど声に出します。声が出せない場所では小さくつぶやくか紙に書き出す形に替えます。1節が長すぎる本では、小見出しごとに切ります。開いて抜けを確かめてから次の節へ進み、章を終えたら見出しだけを見て通しで唱え直します。全体の目安は1章20分前後で、疲れたら節の途中で切ります。
はまりどころ
唱える中身が本文の丸暗記になると、意味の側が抜けたまま進みます。言い直せたという安心だけで先へ行くと、抜けの多い節がそのまま残ります。確かめられているのは事実の多い文章での成績で、小説や仕事の資料に同じだけ効くかは分かっていません。声を出せる場所が要るという制約もあり、書きとめる形を主にするなら読書メモのほうが手順として整っています。
確かめられ方
McDaniel, Howard, Einstein 2009 の実験で、この3段階を取った群が再読やノート取りの群より後のテストで良く、ノート取りより所要時間も短いと報告されています。対象は大学生で、材料は事実中心の文章です。手続きとしての検証は少数の実験にとどまり、仕事の資料や物語で試した報告は見当たりません。