教えるつもりで学ぶ

思い出す練習

人に説明する前提で準備し、できれば実際に話す

どんな技?

明日これを人に説明すると決めてから学びます。筋を作り、声に出して通しで話すところまでやります。相手は同僚でも家族でもよく、質問が返ってくる相手だといちばん形になります。相手がいなければ空の椅子に向かって話すか、説明の文章を書く形で代えます。資料を作り込む作業ではなく、口で説明しきることが中身です。話す長さは3分でも足ります。

なぜ効くのか

説明する前提で読むと、どこから話すかを自分で決めなければなりません。話す段では手元を見ずに取り出すことになり、詰まった箇所がその場で分かります。分かったつもりだった部分がここで表に出るので、メタ認知の見立てが直ります。相手の質問は自分では作れない問いなので、準備で抜けた穴が外から突かれます。話す順番を組む作業そのものも、ばらばらの知識をつなぐ手数になります。

やり方

説明する相手と日を先に決めます。準備は10〜15分で筋だけ作り、文字を書き込んだ資料は作りません。話すときは手元を見ずに通し、詰まった箇所に印を付けて後で埋めます。相手がいる回では質問を1つ以上もらうようにします。終わったら相手の質問だけ書き残します。ひとりのときは白紙に書き出す形で筋を出してから、声に出して通します。

はまりどころ

準備で満足して話さないまま終わると、効きは小さいほうにとどまります。見た目のよい資料づくりに寄ると本題から離れるので、そこはノートを美しく作るが扱います。確かめられているのは学生を対象にした課題が中心で、職場で後輩に教える効果まで同じ数字では言えません。読んだ中身を言い直す側は自分の言葉で言い直すです。

確かめられ方

Kobayashi 2019 は28研究をまとめたメタ分析で、準備するだけの効果がg=0.35、実際に教えた場合が g=0.56 でした。やりとりのある教え方ほど効果は大きく、同じ著者の 2024 年のメタ分析でもそこが軸に置かれています。対象は主に学生で、職場で後輩に教える場面に同じ数字を当てられるかは調べられていません。