記憶の干渉

記憶のしくみ

似たものを続けて覚えると、互いに邪魔をして混ざる

どういう意味?

忘れる理由を「時間で消える」ではなく「他のものが邪魔をする」で説明する見方です。前に覚えたものが後の記憶を邪魔する向きと、後から覚えたものが前を出にくくする向きの二つに分けます。似た用語を続けて詰め込み、どちらがどちらか分からなくなるのが身近な形です。別の外国語に切り替えた直後にさっきの語が混ざるのも、この現れです。

どこで出てくるか

覚えた直後が弱い理由(記憶の固定化)や、間を空ける覚えた直後は何もしないの説明に出てきます。似た科目を続けず種類を混ぜるインターリービングとも地続きです。ただし混ぜて練習する効き目そのものは評価が中程度にとどまるので、条件は技の側の項目に譲ります。同じ日に何を並べるかを決める材料にもなり、並べる順で結果が動くという見方が持てます。

取り違えやすいところ

波の干渉とは関係がなく、記憶どうしの邪魔し合いを指します。二つの向きの呼び名は、じゃまが前から来たか後から来たかの区別にすぎません。減り方を描く忘却曲線が「どれだけ残るか」の絵なら、こちらは「なぜ減るか」の説明のひとつです。似ていればいつも混ざるわけでもなく、手がかりが重なるほど起きやすくなります。混ざっても中身が消えたとは限らず、聞き方を変えると出てくることがあります。

解説動画(海外・英語): Explanations for forgetting [AQA ALevel]/Psych Boost

忘れる理由の一つ: 忘れることの説明として、長期記憶にある似た記憶が互いに混ざるという見方を扱う授業動画です。入り口に置くのは、古い暗証番号をつい打ってしまう経験と、思い出せなかったことを別の部屋に戻った途端に思い出す経験です。前者が干渉、後者が手がかりの側の話につながると整理されます。

前から邪魔と後から: 干渉は向きで二つに分かれます。すでに長期記憶にある古い情報が、後から覚えた新しいことの想起を邪魔するのが順向干渉です。逆に、新しく覚えたことが古い記憶の想起を邪魔するのが逆向干渉で、動画では古い情報が前へ進む・新しい情報が後ろへ戻ると言い換えています。

混ざりやすい条件: 起きやすさを決めるのは二つで、まず二つの情報が似ているかどうかです。電話番号同士は混ざるが、電話番号と郵便番号は混ざりにくい。似ていると両方が頭にあってどちらか選べなくなるわけです。もう一つは時間で、覚えた時期が近いほど起きやすく、離れているほど起きにくくなります。

確かめ方: 実験の例として、子どもの頃の家の周りの地図から通りの名前を答えさせると、引っ越した回数が多い人ほど思い出せる名前が少なかったという結果が挙がります。もう一つは単語の対のリストを間をおいて四つ覚える課題で、後のリストほど正答が下がるという形が示されます。

どこまで言えるか: 後半では限界も並びます。失われたものが上書きされたのか、手がかりがあれば出てくるのかは分かっておらず、一時的に出てこないだけかもしれません。似た情報同士でないと説明できないので鍵の置き場所を忘れる類には当てにくく、実験室の課題は日常と違うとも述べます。