忘却曲線

記憶のしくみ

覚えた直後にいちばん速く減り、あとはゆるやかになる

どういう意味?

覚えた直後からの減り方を線にしたもので、はじめのうちがいちばん急で、あとは平らに寄っていきます。元は無意味な音節をひとりで覚え直した1885年の自己実験です。後年の再現も同じ手続き・ひとりぶんで、規模はそこにとどまります。角度は材料や覚え方で動くので一本の決まった線ではなく、読み取れるのは減り方の形の方です。数字ではなくはじめが急という一点だけが使いどころです。

どこで出てくるか

急に落ちきる前に触り直すという考えが、間をあける練習や復習の間隔を決めるの土台になっています。日をまたいでもう一度読む間をあけて再読するも、この線を当てにした技のひとつです。ただし何日後に何%残るという表を自分の計画にそのまま当てはめる根拠は、この曲線からは出てきません。使えるのは早いうちに一度戻るという向きだけで、戻る時期を決める話の入口になる語です。

取り違えやすいところ

「20分で42%忘れる」式の表は、無意味音節を覚え直したときの手間の節約ぶんを裏返した数で、教科書や仕事の内容の残り方ではありません。出典を並べると値そのものが食い違います。忘れる理由も時間の経過だけではなく、似たものが邪魔をする記憶の干渉が絡みます。忘れる速さの目安としては使えない絵で、間隔をあける効き目のほうは別に確かめられています。

解説動画(海外・英語): Spaced Repetition: The most powerful study technique/Tiny Medicine

減り方を図にする: 間をあけた復習のもとになる考えを、忘れ方の図をたどりながら説明する短い動画です。縦軸を記憶の強さとして、ある章を今日はじめて勉強したと仮に置き、そこで一度は強い記憶ができるものの、時間とともに急に弱まっていくという下がり方を描きます。これが忘却曲線です。

最初の強さを上げる: 残す手は二つあり、一つ目は最初の記憶を強く作ることだと言います。同じ試験に向けて、丸暗記で詰め込む人と、流れ図に描き直して筋を理解する人では、出発点の強さが違うという比べ方です。表にする・語呂にするなども挙げつつ、意味が分かってから覚えることを軸に置きます。

触り直すと平らに: 二つ目が間をあけた復習です。二日目に同じ章を見直すと曲線の傾きが少し平らになり、七日目にもう一度見直すとさらに平らになる、という重ね方で示されます。触り直すたびに減り方がゆるくなるので、覚えたことが長く残るという説明です。間をあける練習と呼ばれる型の理屈がここに当たります。

間隔の置き方: やり方としては、二日目・七日目・十四日目・二十八日目、その後は三か月に一度という具合に予定を組んで自分で見直す形と、その管理を専用の道具に任せる形の両方を挙げます。図はある章を勉強したと仮に置いて描いたもので、個々の数字の裏づけまでは扱っていません。