大型車の後ろは燃費が伸びる

外と乗り物

大型車の後ろで空気抵抗が減るという話

何が起きている?

高速道路で大型車の後ろにつくと、瞬間燃費の表示が目に見えて良くなり、風切り音も静かになります。効きめは車間を詰めるほど大きくなりますが、危険も同じだけ跳ね上がります。数字のために近づかないのが前提で、安全な車間でも少しは効くという程度に受け取るのが実際的です。

なぜそうなるか

前の車の後ろには、車と同じ向きに動く空気が残っています。そこへ入ると、自分から見た向かい風の速さが下がります。空気に押される力は速さのおよそ二乗で効くので、相対的な風速が一割下がるだけで力は二割近く減り、その分だけ燃料が要らなくなります。後ろの車が空いた場所を埋めれば前の車の圧力も戻るので、前の車も少し得をします。競技の自転車のドラフティングと同じ理屈です。

確かめ方

道路で試すのではなく、扇風機と厚紙で形だけ見ます。同じ大きさの厚紙を二枚、風の向きに前後に並べて立て、後ろの一枚を少しずつ前へ近づけると、後ろの紙の揺れが目に見えて小さくなります。離すと戻るので、効きめは間隔しだいだと分かります。車間距離の保持は法令上の義務で、詰めすぎは違反となる場合があり、扱いは所管の最新情報で確かめてください。

つながる現象

前の車が引きずる後流の中は向かい風が弱く、抗力がまとめて小さくなります。ただし効きめは前の車の形と高さで大きく変わり、箱型の大型車ほど大きな渦を残します。横風の日には、その渦が横から殴ってくるので、燃費どころではありません。車線をまたぐような揺れを感じたら、早めに離れます。

解説動画(海外・英語): Big Rig Myths | MythBusters | Season 5 Episode 12 | Full Episode/MythBusters

煙が届かない場所ができる: 大型車が空気を切り裂き、後流に気圧の低い場所を作る——この筋書きをNASAの風洞で確かめた回。模型のトラックに煙を流すと肉眼では分からないが、高速カメラで見ると向かってくる煙が届かない領域がはっきり出る。後ろにつく車はそこに入っている。

模型は2フィートで93%減: 同じ縮尺の車を力計につなぎ、単独では0.142ポンドという基準を先に取る。車7台分の距離で抗力が21%減。模型を寄せて、実寸に直すと10フィートで60%減、6フィートで80%減、2フィートでは93%減。近づくほど効きが強くなる。

実車では27%まで伸びた: 実車は2500時間かけて空力を煮詰めたフレイトライナーの新型カスカディア。燃料噴射の信号から使った量を直接記録し、半マイルの区間で比べる。時速55マイルの基準は32マイル/ガロン。車間100フィートで1割超、50フィートで20%、20フィートまで詰めて27%まで燃費が伸びた。

詰めるほど死角に入る: 走る側はスタントドライバーのマイク・ライアンに教わり、屋根に付けた電子巻尺で車間を保つ。技術者のマット・マークスタラーは大型車の死角の多さからこれを自殺行為と言い切る。道路当局の目安は時速55マイルで150フィート以上。ミラーが見えないなら運転手からも見えていない。