飛行機雲
外と乗り物
飛行機の後ろに白い線が残る日と消える日
何が起きている?
高い空を飛ぶ機の後ろに、白い線が数十秒から数時間残ります。エンジンの数だけ線ができるので二本や四本に見え、やがて一本の帯にまとまります。すぐ消える日と、広がって薄い雲になる日があり、同じ空でも飛ぶ高さが違えば結果が変わります。晴れた日に何本も残って、空全体が白くかすむこともあります。
なぜそうなるか
燃料が燃えると水蒸気ができ、氷点下四十度前後の高い空へ出た瞬間に冷やされて、排気の細かい粒を芯に氷の粒になります。周りの空気が乾いていれば氷は気体へ戻って消え、すでに湿っていれば氷は残って広がり、薄い雲になります。だから消え方は上空の湿り具合の目安になりますが、地上の天気まで当てられるほど単純ではありません。同じ機でも、高度を変えれば線が出なくなることがあります。
確かめ方
白い線を見つけたら消えるまでの秒数を数えます。数十秒で消える日と、何本も残って空全体がかすむ日の違いがはっきりします。同じ日に高さの違う機が飛んだら、残る高さと消える高さを見比べると、湿った層の高さを想像できます。道具は要らず、見上げて待つだけです。何日か続けて眺めると、その季節の空の癖まで見えてきます。
つながる現象
翼が空気を下へ曲げた反作用で機体が持ち上がるのが揚力で、曲げられた空気が翼の端で横へ回り込んだものが翼端渦です。その渦が氷の粒を巻き取るので、線は細く整った形でしばらく残ります。渦が数分かけてほどけるにつれて線はぼやけ、元の形が分からなくなります。
解説動画: 飛行機雲ができる理由 なぜ飛行機雲で天気がわかる!? #ウェザーニュース天気図鑑 #雲/ウェザーニュース
煙ではなく雲の粒: エンジンの後ろから伸びるので煙だと思われやすいが、動画の答えは空に浮かぶ普通の雲と同じもの。中身は水蒸気や氷の粒の集まりで、いわば人工的に作られた雲。見えている白は煙ではなく水と氷だ、という置き換えから話が始まる。
できる条件は温度の落差: できるのは、気温の低い上空が湿っているところへ温度の高い排気ガスが出たとき。ジェット機が飛ぶ高度1万メートル付近はマイナス40度以下なのに、排気ガスのほうは300度から600度ある。この差と上空の湿り気、両方がそろって初めて雲になると動画は条件を挙げる。
白い息と同じ原理: では白く見えるのはなぜか。出たばかりの水分が一気に冷やされ、水滴や氷に変わるから。動画はこれを冬の寒い日に吐く息が白く見えるのと同じ原理だと言い切る。そのうえで、できた雲がその場に残るかどうかを握るのは上空の湿り気で、湿っていると蒸発しきれずに形が残ると続ける。
消え方で天気を読む: そこで見分けに使えるのが残り方。細く長いまま消えない日は、頭上が晴れていても高いところに湿り気があるので天気は下り坂。反対に引いたそばから消える日は、上空を高気圧が覆って乾き、大気も落ち着いている合図なので晴れがしばらく続くと読める。