電車が来るときの風
外と乗り物
列車が近づくときホームで感じる風の変化
何が起きている?
ホームで列車が近づくと、まず前から押し出される風、次に車体に引きずられる風、通り過ぎた直後に線路側へ寄せる風、と三段階で変わります。速い通過列車ほど強く、黄色い線の内側に立っていても上着のすそがはっきり動きます。風の向きが二度変わることが、この現象のいちばんの特徴です。
なぜそうなるか
車体は前にある空気を押しのけ、先頭では逃げ場を失った空気が前と横へ押し出されます。側面では空気が表面に引きずられ、列車と同じ向きに動きます。最後尾が過ぎると、空気が埋め戻る前にそこが空くので、周りより圧力がわずかに低い場所が残ります。すると周囲の大気がそこへ押し込み、その流れに巻かれて体が線路側へ持っていかれます。押しているのは列車ではなく空気のほうです。
確かめ方
確かめ方は見ることだけです。黄色い線の内側から動かず、風の順番だけを追います。近づくときの押す風、通過中の引きずる風、去ったあとに線路側へ寄せる風。傘や紙袋は体の前で抱えると持っていかれません。ベビーカーや車輪付きの荷物は必ず手を掛けたままにします。通過の前後わずか数秒に集中すると違いが分かります。
つながる現象
車体の後ろに残る後流と、表面に引きずられる薄い空気の層境界層が重なっています。三段階の風は別々の現象ではなく、同じ一つの流れの違う場所が順番に通り過ぎているだけと考えると筋が通ります。だから速い列車ほど強く、車体が長いほど引きずられる時間が延びます。