蛇口の水が細くなる

台所と水まわり

落ちるほど細くなり、やがて粒に切れる水の筋

何が起きている?

蛇口をほんの少しだけ開けると、水はガラス棒のようななめらかな筋になって落ちます。よく見ると下へ行くほど筋は細くなり、ある高さで表面が波打ち、そこから先はつながらずに粒がつながった列へ変わります。細く出したときは手のひら一つ分ほどで粒に変わり、勢いを増すほど筋は長く伸びて、切れる位置は下がります。出しすぎると今度は筋じたいが乱れて白く濁ります。

なぜそうなるか

落ちるあいだ、水は重力に押されて速くなります。上の断面でも下の断面でも毎秒通る量は変わらないので、速くなった分だけ断面は細くなるほかありません。細い筋になると、今度は表面を小さくしようとする力がくびれを深め、いったん深まったくびれは自分では戻れずにちぎれます。どの高さでちぎれるかは、蛇口のわずかな振れや空気の動きで動くので、狙って決めることはできません。

確かめ方

蛇口を細く開けて、筋が粒に変わる高さを目で追ってください。ハンドルを開けていくほど、その高さは下へ遠ざかります。次はコップで受けて、10秒ほどで溜まる量を量ってみましょう。毎秒出ていく量は上でも下でも同じなのに下ほど細ければ、下ほど速いと分かり、見た目の裏が取れます。

つながる現象

筋がちぎれて粒になるところは液滴の分裂そのもので、ちぎる側の力は表面張力です。速いほど細いという釣り合いは台所だけの話ではなく、ホースの先をつまんで勢いよく飛ばすときにも、川が浅い瀬で音を立てて速くなるところにも効いています。太さと速さは片方だけでは決まらず、いつも一緒に動くと覚えておくと、同じ目で見られます。蛇口はその入り口です。

解説動画(海外・英語): 🤔Why does a stream of water from a faucet become narrower as it falls? | MATHEMATICAL EXPLANATION/PHYSICS BHAKT

粘りのせいではない: 実験はビーカーにグリセリンを注ぐところから始まる。出口では太く、落ちるほど細くなる。粘り気が強いせいだと思いたくなるが、続けて水道の水を出しても同じように先細りになる。液の種類を変えても形は変わらないので、粘りの違いでは説明がつかないと示す。

水量を絞ると粒になる: 水を勢いよく出しているあいだは太さの変化が分かりにくく、ほとんど同じに見えると話す。出す量を減らして流れを遅くすると、先細りがはっきり見えるようになる。さらに絞っていくと、流れはつながらずに粒の形へ変わっていく、と手元で連続して見せている。

断面積と速さの積が一定: 理屈として持ち出すのが流体力学の連続の式で、断面積と流速をかけた値が一定に保たれるという関係。ただし蛇口を全開にした高速の流れでは成り立たないと断っていて、なめらかな定常の流れという条件つきの話であることを先に置いている。

速くなった結果として細い: 出口の水は初速がほぼゼロの状態から、小さな円盤のような一片が自由落下と同じように加速していく、と描いて説明する。下ほど速いので、積を一定に保つには断面積が小さくなる。速くなったから細くなるという順番。話者自身、これは式の上での説明で、力学的な理由は別にあると断っている。

線香の煙も同じ形: 同じ理屈で線香やタバコの煙の形も説明する。熱せられたところの気体は密度が小さくなるので、浮力が上向きに働いて上がっていく。上がるほど速くなるので煙の柱は細くなり、その先では乱れた流れに移って形が崩れる。