もろみ(醤油の実)

味噌・醤油

もろみ(醤油の実)は、醤油を搾る前の麹と塩水が混ざった状態を、搾らずにそのまま食べる調味料です。

どんな発酵?

醤油を搾る前の、麹と塩水が混ざった状態そのものを、搾らずに食べる調味料です。地方によっては「醤油の実」と呼ばれ、山形県庄内地方では江戸時代から食べられてきた郷土料理です(農林水産省「うちの郷土料理」による)。大豆と麦の粒が残っていて、きゅうりに付けたり、ご飯に乗せたりします。醤油より甘みと粒感があり、香りが強い。

材料

醤油麹、塩、水が基本です。山形県庄内地方の「しょうゆの実」には大豆2.5合・小麦5合・米5合に麹菌を付け、塩1.5合・水7.5合を加えるという配合が伝わっています(農林水産省調べ)。醤油より水を少なめにして固めに仕込むと、そのまま食べやすい濃さになります。市販の「もろみの素」を使えば手早くできます。

仕込み方

醤油麹と塩水を混ぜ、毎日かき混ぜながら常温で1〜3ヶ月。醤油ほど長くは寝かせません。庄内の「しょうゆの実」では、塩水で仕込むと約1ヶ月、醤油と酒を加える早づくりなら1週間〜10日で食べられるという作り方も伝わっています。好みの分解具合になったら冷蔵に移す—— 冷蔵すれば進行がほぼ止まります。

見極めと失敗

醤油より塩分が低い作り方もあるので、その場合は日持ちが短くなります。表面の産膜酵母は取り除いて混ぜ、カビや異臭が出たら廃棄。先に耐塩性の乳酸菌が増えて酸性の環境をつくり、そのあと耐塩性の酵母が増えて香りを作るという順序があることを、グラスゴー大学(英)のチームが実験で仕込んだもろみで確かめています。小分けにして冷蔵か冷凍が確実です。

出典

  1. 公的機関 農林水産省 しょうゆの実(山形県)|うちの郷土料理
  2. 論文・英語 Yong & Wood(グラスゴー大学)(1976) Microbial succession in experimental soy sauce fermentations