豆味噌(八丁味噌など)
味噌・醤油
豆味噌(八丁味噌など)は、米や麦を使わず大豆だけの豆麹で仕込む、色が濃く熟成の長い味噌です。
どんな発酵?
米麹や麦麹を使わず、大豆に麹菌を付けた「豆麹」だけで仕込む味噌です。東海地方の味噌で、八丁味噌は大豆・天然塩・精製水・麹だけを原料にし、気密の木樽で2年以上の貯蔵が必須だと白石(2023)は書いています。熟成で生じるメラノイジンは、赤褐色の進んだ味噌ほど多いと、下橋・西山(2008)は報告しています。さまざまな味噌の色を比べた佐藤・関(2023)では、豆味噌の明るさ(L値)が最も低い結果でした。
材料
大豆と塩、豆麹が材料です。マルカワみそは、豆麹1kg・塩370g・乾燥大豆650gで3kg分を仕込む例を示しています。大豆は煮て潰すところから始まり、潰すのは手だと20分ほど、機械(ミンサー)なら1分ほどで済むと話します。食品成分表(八訂増補2023年)の豆みそは、可食部100gあたりの食塩相当量が10.9gです(文部科学省)。
仕込み方
マルカワみそは、米味噌で使う米麹を豆麹に替えるだけで仕込めると話します。仕込みの硬さは耳たぶと同じくらいが目安で、水は足さなくてよく、柔らかくしたいときだけ大豆の煮汁か水を足すとしています。重石は味噌の重さの3割が目安です。置き場所は直射日光を避け、28〜30℃ほどが理想で、日が当たると風味が落ちる(日向味噌と呼ぶ)と話しています。
見極めと失敗
豆味噌は色が濃いのが普通で、色の濃さだけでは傷みを判断できません。マルカワみその動画は、2年熟成させた豆味噌の豆麹が黒く変わっている様子を見せています。色より、表面の状態やにおいを見るほうが判断しやすいです。表面に出たものがカビかどうかは(→味噌の表面のカビ)で確かめてください。上に液が出るときは(→たまり(味噌の上に出る液))を見てください。
出典
- 公的機関 文部科学省(2023) 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 豆みそ
- 論文 白石弘幸(2023) 食品生産組織と地理的表示保護-八丁味噌の事例研究-
- 論文 下橋淳子, 西山一朗(駒沢女子短期大学)(2008) 味噌の色調と抗酸化性との関係
- 論文 佐藤由菜, 関洋子(東京工科大学)(2023) さまざまな味噌における抗酸化作用と色彩値におよぼすアミノ酸の影響
- 動画 【みそチャンネル】マルカワみそ かんたん豆味噌の作り方【国家資格である味噌1級技能士が教える】
解説動画: 手作り味噌の作り方*豆みそ/赤みそ編|水煮大豆&豆こうじで仕込みます/のだみそチャンネル
大豆だけで作る味噌: 動画はまず、愛知の豆味噌が米麹も麦麹も使わず、豆麹だけで仕込まれることを説明します。ただし伝統的な味噌玉製法の豆麹は管理が難しく傷みやすいため、店頭にはほとんど出てきません。そこで今回は、ばらの状態の豆麹を使って仕込んでいきます。材料は大豆と豆麹、塩、水の四つだけです。
潰して塩切り麹と混ぜる: 水煮の大豆は袋のまま上から押して、ペースト状になるまで潰します。粒が少し残っていても差し支えないとしています。次に容器へ豆麹と塩を入れて先に混ぜ合わせ、そこへ潰した大豆と種水を加えていきます。混ざり方が足りないと、塩の届かない部分が傷んでくるので、全体に行き渡るまで混ぜ込むよう繰り返し述べています。
押し込んで空気を抜く: 大豆と麹と塩がひとつになったら、いよいよ容器に仕込みます。団子にして入れ、上から押して空気を抜きながら重ねていきます。加える水の量は大豆が抱えている水分によって前後するため、はじめから幅を持たせてあると断っています。詰め終えたら表面の凹凸をならし、容器の縁と内側の汚れを拭き取ります。ここまでで仕込みの作業は終わりです。
表面の塩とラップ: 仕上げは表面の手当てです。表面は最もカビが出やすいところだとして、まず全体に塩を振ります。量は2kgを仕込む容器で15gほどで、容器が大きくなればそのぶん増やすと説明します。その上から空気の隙間ができないようラップを密着させ、米や塩を袋に入れたものを重石として乗せます。重しは家にあるもので代用してよいとしています。
常温で一年寝かせる: 重しの下に平たい皿を一枚かませるのもすすめていて、蓋が閉まらないときは新聞紙を被せて輪ゴムで留めれば代わりになるとしています。あとは常温で1年前後置けば出来上がりです。カビが出たときの手当ては別の動画に譲り(→味噌の表面のカビ)、仕込むことではなく食べる瞬間がゴールだと結びます。