ロイコノストック
ロイコノストックは、野菜の表面にいて漬物の発酵を最初に始める乳酸菌で、乳酸のほか炭酸ガスと酢酸も作ります。


菌の特徴
野菜の表面にいて、漬物の発酵をいちばん最初に始める乳酸菌です。キムチやザワークラウトの初期に増え、乳酸だけでなく炭酸ガスと酢酸も作る(ヘテロ型)ので、仕込んだ直後に泡が出るのはこの菌の働きです。世界キムチ研究所のチームが、5種の乳酸菌スターターの育ちやすさを比べた実験では、発酵が進んでたまる酢酸・乳酸がある環境で、この菌は他の種より良く育ち、これが漬物で優勢になる一因だとされています。
働き
糖を分解して乳酸・酢酸・炭酸ガスを作り、pHを下げて他の菌が入り込めない環境を先に作ります。自分が作った酸で、自分が住めなくなるのが特徴で、酸が強くなると後続のラクトバチルス属に主役を譲ります。
好む環境
低めの温度(20℃前後)と、低めの塩分でよく働きます。酸素が無くても増えられます。キムチを最初に涼しいところで発酵させるのは、この菌の段階を丁寧に通すためです。韓国・世界キムチ研究所などのチームが遺伝子とタンパク質を調べた研究では、低温と酸性という漬物の環境で、細胞を守るタンパク質(分子シャペロン)の働きを強め、糖から素早くエネルギーを作ることで、この菌がその環境に適応していると報告しています。
関わる食品
キムチ、ザワークラウト、白菜漬け、水キムチ。仕込み初日に細かい泡が立って汁が濁るのは、この菌が働き始めた合図です(→漬物がシュワシュワする・発泡する)。
出典
- 論文・英語 Lee J, Lee MJ, Jung MJ, Kim YB, Roh SW, Ryu BH, Jeon CO, Choi HJ, Whon TW, Lee SH(2025) Unravelling the key factors for the dominance of Leuconostoc starters during kimchi fermentation
- 論文・英語 Kang JY, Lee M, Song JH, Choi EJ, Mun SY, Kim D, Lim SK, Kim N, Park BY, Chang JY(2024) Organic acid type in kimchi is a key factor for determining kimchi starters for kimchi fermentation control
ほかのオトモ
同じ作りの図鑑が全11本あります。内容の近いものから並べています。
オトモアグリ
農学を単語から一周する図鑑と、家庭菜園・魚と野菜をひとつの水で育てる系・霧で根を育てる系の図鑑
農学36・アクアポニックス152・エアロポニックス148
オトモクリエイティブ
歌う・描く・撮るを、作る側から引く図鑑(ボーカル・構図と光・画材と機材)
ボーカル140・アート66
シリーズ全11本を見る
