りんご酸のような酸味
りんご酸のような酸味は、青リンゴや熟し切る前の洋梨をかじったときのような、輪郭が鋭くみずみずしい酸味を指す言葉です。


味の特徴
青リンゴのような鋭くみずみずしい酸です。口に含んだ瞬間にシャープに立ち上がり、輪郭ははっきりしているのに長く残らず、すっと引いていくのが特徴とされています。明るい酸味を構成する要素の一つですが、単体では甘さをほとんど伴わないぶん、同じ「明るい酸」の中でもより青く硬い印象になるとされています。紅茶で言えば、渋みの少ない若い茶葉をかじったときの鋭さに近いという説明のされ方もあり、コーヒーに限らず幅広い飲みもので使われる表現です。
味の出どころ
未熟な果実に多く含まれる有機酸で、完熟前の段階ほど比率が高いとされています。コーヒーでは標高の高い産地で育つゲイシャ系の品種や、エチオピアの浅煎りに比較的多く感じられるといわれています。果実が熟すにつれてリンゴ酸の割合は下がり、代わりに糖やクエン酸が増えていくという植物側の仕組みが背景にあるとされ、収穫のタイミングが少し早いコーヒーチェリーほど、この鋭い酸が強く残る傾向があるといわれています。摘み取る時期の見極めが、農園の腕の見せどころの一つでもあります。
調整の仕方
浅煎りの豆を、湯温をやや低めで手早く抽出すると、この鋭さが前面に出やすくなります。逆に丸みを出したいときは、湯温を少し上げて抽出時間をわずかに延ばすと角が取れて感じられるとされています。「酸っぱすぎる」と感じたときは酸敗を先に疑う必要があります—— リンゴ酸そのものとは原因がまったく別で、どちらも「酸っぱい」と表現されるだけに混同されやすい組み合わせです。香りの立ち方やふくらみに違和感がないかもあわせて確認するとよいとされています。
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