蒸らしは、本抽出の前に粉の中へ閉じ込められた気体を逃がしておく工程です。


使いどころ
蒸らしは抽出の最初に置く短い工程で、豆の焙煎後に組織の中へ閉じ込められた二酸化炭素を本抽出の前に逃がしておくためのものです。蒸らしを飛ばすと、抽出の間じゅう気泡が湯の通り道をふさぎ、粉の層のあちこちで抽出の進み方がそろわなくなります。新しく焙煎された豆ほど内部にガスを多く残しているためよく膨らむ傾向があり、蒸らしの盛り上がり方は焙煎からの日数を推し量る手がかりにもなります。逆に浸漬式の方法では、湯に浸けている間にガスが自然に逃げていくため、蒸らしを厳密に区切らないこともあります。
淹れ方
粉の量に対して2〜3倍程度の湯を、粉全体が均一に湿るように中心から外へ小さく円を描きながら注ぎます。一部だけ乾いたまま残ると、そこだけ後の抽出でうまく湯が通らず、周りだけ先に抽出が進んでしまいます。注いだら30〜45秒待ちます。表面が全体的に盛り上がってドーム状になれば、ガスがきちんと抜けている証拠になります。蒸らしに使う湯の温度は本番の注湯と同じ温度にそろえておき、途中で条件を変えないようにします。
コツ・注意
蒸らし時間を長く取りすぎると、逆にガスが抜けきって効果が薄れるので、様子を見ながらも延長しすぎないほうがよいでしょう。焙煎から日数がたった豆はほとんど膨らまない場合がありますが、これは劣化のサインというよりガスが自然に抜けた状態であることが多く、その場合は蒸らし時間をやや短くして次の工程に進んでかまいません。表面の一部だけが膨らみ、片側が低いままなら、注ぎがそちら側に偏っている合図でもあります。細かな注ぎ方の考え方は注ぎ方と湯の落とし方で扱います。
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