攻略 | オトモドリンク&イーツ

蒸らし・注ぐ速さ・回数の決め方。

ハンドドリップで手が決めるのは、蒸らし・注ぐ速さ・注ぐ回数・終わらせ方の4つです。先に粉と湯の量と全体の時間を固定しておくと、4つのうち変えたものと味の変化を結びつけられます。基準はハンドドリップの項目にある粉20gに湯300g・全体で2分30秒〜3分で、0.1g単位のスケールとタイマーがあれば毎回同じ条件で淹れられます。

ハンドドリップ
ハンドドリップ写真: User:GorillaWarfare / CC BY-SA 1.0
0.1g単位のスケール写真: Cerebral726 / CC BY-SA 4.0
タイマー写真: manfredrichter / Pixabay Content License

最初の1投は蒸らしにあて、粉全体が湿る量の湯を注いで30秒ほど待ちます。焙煎でできた二酸化炭素は豆の中に残り、挽いたときと湯に触れたときにまとめて出て、抽出の進み方に関わります(チューリッヒ応用科学大学)。豆に残る二酸化炭素の量は焙煎度と結びつき、焙煎が深いほど抜ける速さが増しました(ゲルフ大学)。挽いた粉からの抜け方は、焙煎度より挽き目と焙煎の温度に大きく左右されました(同)。膨らみ方は豆の状態の目安にとどめ、蒸らしの時間は毎回そろえます。

蒸らし
蒸らし写真: markolaz / CC BY 2.0

蒸らしのあとの注ぎは、湯の柱で粉を動かす操作でもあります。ガラスの漏斗に透明な粒を入れ、湯の当たり方をレーザーと高速度カメラで追った実験では、湯の柱が当たった所から粒が雪崩のように崩れて回り込み、湯と混ざりました(ペンシルベニア大学)。注ぐ高さと流量を変えれば、豆を増やさずに濃さと味を動かせます(同)。湯の柱が途中で切れて滴になると粉がよく混ざらないため、細口ケトルの太めの湯の柱がつながる範囲で、なるべく高い位置から注ぐのが研究チームの勧めです(米国物理学協会の発表)。勢いよく注ぐほど成分は出やすく、弱く注ぐほど出にくくなります(Kenken Coffee)。

細口ケトル写真: Shardayyy Photography / CC BY 2.0

注ぐ回数は、狙う味で決めます。甘みとコクを出したい深めの豆は、粉の膨らみを崩さないよう30gずつ、中心から500円玉ほどの円の中に注ぎ、粉の面が沈み切る前に次を重ねます(暮らしと珈琲)。高い位置から勢いよく注いで粉を大きく動かす淹れ方は、酸味と香りを立てたい浅い豆に向きます(同)。回数を細かく分けるほど1回ごとの湯量と間隔で調整でき、細く注ぎ続けるほど毎回の差が出にくくなります(注ぎ方と湯の落とし方)。

注ぎ方と湯の落とし方
注ぎ方と湯の落とし方写真: Kim Sanso / CC0 1.0 1.0

終わらせ方も味を決めます。抽出の終わりに出てくるのは渋みと苦みで、最後まで落とし切るとその割合が上がります(暮らしと珈琲、Kenken Coffee)。目標より多めに湯を注ぎ、サーバーに目標の量がたまった時点でドリッパーを外す「途中止め」なら、終わりの成分を入れずに済みます(暮らしと珈琲)。濃く感じたら、ドリップに使った湯を10〜50mlの範囲で足すと、その日の仕上がりを後から合わせられます(同)。

やりがちなのは、ペーパーフィルターの壁に直接湯をかけ、粉を通らずに落ちる湯を作ることです(同)。湯が速く抜けすぎる・遅すぎるときは、注ぎ方を変える前に挽き目の段階を見直し、変える数字は1回に1つに絞ります。

ペーパーフィルター写真: —Estormiz 06:57, 10 September 2006 (UTC) / Public domain
挽き目の段階
コーヒーミル
挽き目の段階図: オトモシリーズ

出典

  1. 動画 暮らしと珈琲の動画(岡山と東京の焙煎所。SCAJ の舞台での実演で、自店の豆を売る利害がある) 【同じ豆なのにこんなに変わる】簡単でおいしいハンドドリップ公開飲み比べ
  2. 論文・英語 Park E, Young M, Mathijssen AJTM(ペンシルベニア大学 物理天文学科)(2025) Pour-over coffee: Mixing by a water jet impinging on a granular bed with avalanche dynamics
  3. 資料・英語 AIP Publishing(米国物理学協会の出版部門。上の論文の発表)(2025) Coffee Too Weak? Try This!
  4. 論文・英語 Smrke S, Wellinger M, Suzuki T, Balsiger F, Opitz SEW, Yeretzian C(チューリッヒ応用科学大学 Coffee Excellence Center)(2018) Time-Resolved Gravimetric Method To Assess Degassing of Roasted Coffee
  5. 論文・英語 Wang X, Lim LT(ゲルフ大学)(2014) Effect of roasting conditions on carbon dioxide degassing behavior in coffee
  6. 動画 Kenken Coffee 【おすすめレシピ】その浅煎り甘いですか?浅煎りコーヒーを甘くする入れ方【調整方法】