淹れ方図鑑
ハンドドリップ(ハンドドリップ)
ハンドドリップは、湯温・挽き目・注ぎ方など変数が多いぶん、味を狙って作れる淹れ方です。豆の個性を澄んだ形で出したいとき。1〜2杯を丁寧に淹れるのに向いた方法で、器具も安価です。カメリーノ大学(イタリア)のチームは、ケニア産の中煎りを4方式で淹れて比べ…
エスプレッソ(加圧・エスプレッソ)
エスプレッソは、9気圧前後の圧力をかけて20〜30秒で濃く搾り出す抽出方法です。濃厚な一杯として、またはラテやカプチーノの土台として。9気圧前後の圧力をかけて、20〜30秒で抽出する方法です。川野優馬は、ドリップの8〜9倍の濃さと説明します。Red Stone Coffee は…
フレンチプレス(浸漬(漬け込む))
フレンチプレスは、金属フィルターで粉を漬け込むだけの、技術が要らず味が安定する抽出方法です。ハンドドリップより技術の差が出にくく、初心者にすすめやすいと、トモヤの珈琲塾は説明しています。豆の油分も抽出されるので、コクのある仕上がりに。紅茶にも使えます。カリフォルニア大学デイビス校は…
エアロプレス(加圧・エスプレッソ)
エアロプレスは、粉を湯に浸してから押し出す、浸漬と加圧のいいとこ取りをした器具です。器具が軽くて丈夫、洗うのも簡単なので、旅行や職場に向きます。考案者のアラン・アドラーは、接触時間が短いので、長く淹れたような苦みが出ず甘いと説明しています(AeroPress社の動画で、自社製品の説明です)。…
水出しコーヒー(水出し)
水出しコーヒーは、熱を使わずに水だけで抽出するため、苦みや酸っぱさが出にくい淹れ方です。苦みや酸っぱさが少なく、花のような香りが立つと言われる淹れ方です。UCデイビス校の研究では、産地3種・焙煎3段階のコーヒーを4℃・22℃・92℃で淹れ、濃度を2%にそろえて冷たいまま評価しました。…
煎茶を淹れる(茶を淹れる)
煎茶を淹れるときは、沸かした湯を70〜80℃前後まで冷ますところから始まります。日常の一杯として。煎茶は、湯温と浸出時間で渋みとうま味の出方が変わります。1899の日本茶インストラクターは、湯温が高いと苦みや渋みが出やすく、低いと抑えられてうま味を感じやすいと説明しています。静岡県は…
紅茶を淹れる(茶を淹れる)
紅茶を淹れるときは、沸かしたての熱湯をそのまま使うのが基本です。ストレートでもミルクティーでも、基本の手順は同じです。湯温は、トルコと韓国の研究チームがトルコの紅茶2,688杯を淹れ分けた実験で、試した条件のうち成分と水色にいちばん強く効きましたが、渋みと風味の評価は条件によって有意には変わりませんでした。目安として…
抹茶を点てる(浸漬(漬け込む))
抹茶を点てるとは、粉を湯に溶かすのではなく、茶筅で混ぜて泡立てることです。抹茶は茶葉を丸ごと粉にしたもので、湯に溶けるのではなく細かい粒が散らばった状態(懸濁)になります。抹茶を販売するCrafti(英語のYouTubeチャンネル)は「抹茶は溶液ではなく懸濁液」と説明し、竹の茶筅の細い穂が粒をほぐして空気を含ませ…
蒸らし(ハンドドリップ)
蒸らしは、本抽出の前に粉の中へ閉じ込められた気体を逃がしておく工程です。蒸らしは抽出の最初に置く短い工程で、豆の焙煎後に組織の中へ閉じ込められた二酸化炭素を本抽出の前に逃がしておくためのものです。蒸らしを飛ばすと、抽出の間じゅう気泡が湯の通り道をふさぎ、粉の層のあちこちで抽出の進み方がそろわなくなります。…
湯温の決め方(ハンドドリップ)
湯温の決め方は、同じ豆・同じ挽き目でも、湯温を変えるだけで別の味を作れる調整点です。ハンドドリップで使う湯温は、どの成分をどれだけ引き出すかを左右する変数の一つです。同じ豆・同じ挽き目・同じ比率でそろえても、湯温だけを変えると酸味と苦みのバランスが変わって感じられます。…
注ぎ方と湯の落とし方(ハンドドリップ)
注ぎ方と湯の落とし方は、湯を粉の層にどう通すかを決める操作です。ハンドドリップの注ぎ方は、湯が粉の層をどう通り抜けるかを決める操作です。同じ比率・同じ湯温であっても、注ぎ方を変えれば抽出にかかる時間も、出来上がりの濃さも変わってきます。考え方は大きく二つに分かれ、数回に分けて注ぐパルス注水と…
粉量と湯量の比率(ハンドドリップ)
粉量と湯量の比率は、味の濃さの土台を決める、最初に固定すべき変数です。粉の量と湯の量の関係は比率(レシオ)と呼ばれ、味の濃さの土台を決める変数です。よく参照される範囲は粉1に対して湯15〜17倍で、数値が小さいほど濃く、大きいほど薄い一杯になります。比率を先に一つ固定してから挽き目や湯温を調整すると…
ウェーブドリッパーで淹れる(ハンドドリップ)
ウェーブドリッパーで淹れるときは、平らな底の波型フィルターが注ぎ方の癖を吸収してくれます。ウェーブドリッパーは、円錐や台形とは違う平らな底に波状のひだが付いた専用フィルターを使うドリッパーです。底面積が広く粉の層が浅く均一になるため、注ぎ方の癖が味に出にくいという特徴があります。…
モカポット(加圧・エスプレッソ)
モカポットは、直火にかけた湯の蒸気圧だけで湯を押し上げる、電源の要らない抽出器具です。モカポットは、直火にかけた本体下部の水を沸かし、発生する蒸気の圧力で湯を押し上げて粉を通す直火式の器具です。圧力は1〜2気圧程度とされ、エスプレッソの9気圧前後には遠く及ばないものの、ドリップより濃く…
カプセル式・全自動機の位置づけ(加圧・エスプレッソ)
カプセル式・全自動機は、淹れる人の技術差を機械側に吸収させ、毎回ほぼ同じ条件を再現する道具です。カプセル式と全自動機(ボタン一つで豆から抽出まで行う機械)は、いずれも淹れる人の技術差を機械側に吸収させる方向の器具です。手動のハンドドリップやエスプレッソが淹れ方を細かく調整して味を作っていくのに対し…
水出し茶(水出し)
水出し茶は、常温以下の水にゆっくり浸けることで、渋みを抑えて甘みを引き出す淹れ方です。水出し茶は、茶葉を常温以下の水に長時間浸けて成分を引き出す方法です。苦みや渋みの成分は高温でよく溶け出すため、水だけで淹れると渋みが抑えられ、まろやかで甘みを感じやすい仕上がりになりやすいとされています。…
氷出しコーヒー(水出し)
氷出しコーヒーは、粉の上に乗せた氷が溶ける速さで、ゆっくり抽出する方法です。氷出しコーヒーは、粉の上に湯ではなく氷を乗せ、溶ける水でゆっくり抽出する方法です。氷の溶け方はほぼ一定なので、人が湯を注ぐより安定した速度で粉の層を通ることになります。冷たい水でじわじわ抽出されるため…
点滴式ウォータードリップ(水出し)
点滴式ウォータードリップは、上段の水を一滴ずつ何時間もかけて粉に落とす抽出方法です。点滴式のウォータードリップは、塔状の器具の上段に入れた水を、コックで一滴ずつ絞り出しながら粉に落とす方法です。氷出しのように自然に溶けるのを待つのではなく、滴下の速さを人が調整できる点が異なります。抽出には数時間かかることも珍しくなく…
サイフォン(浸漬(漬け込む))
サイフォンは、蒸気の圧力で湯を上段へ持ち上げ、粉に浸けてから引き戻す抽出方法です。サイフォンは、下段のフラスコで沸かした湯を蒸気の圧力で上段へ押し上げ、粉と混ぜてから引き戻す抽出方法です。ドリップのように注ぎ方の技術で味が大きく変わることがなく、抽出中は湯温がほぼ一定に保たれるため…
パーコレーター(浸漬(漬け込む))
パーコレーターは、沸かした湯を管で押し上げ、粉の層に繰り返し通す循環式の抽出器具です。パーコレーターは、下部の湯を沸かして中央の管を通して押し上げ、上部の粉の層に繰り返し降り注がせる循環式の抽出器具です。屋外での調理やキャンプ用のストーブにかけて使う場面で今も使われており…
ティーバッグで淹れる(浸漬(漬け込む))
ティーバッグで淹れるときは、急須がなくても浸す時間さえ守れば近い味に淹れられます。急須を洗う手間がなく、1杯分から手早く淹れられるのが最大の利点で、オフィスや来客時など少量をすぐに用意したい場面に向きます。茶葉が細かく刻んである分、成分が出やすいという性質があるため、急須の茶葉と同じ感覚で長く浸けると…
浸漬式ドリッパー(浸漬(漬け込む))
浸漬式ドリッパーは、底の弁を閉じて粉を湯に浸し、開けて一気に落とす器具です。底に開閉できる弁がついたドリッパーで、弁を閉じて湯を注ぐとフレンチプレスのように粉全体が湯に浸かった状態になります。浸けている間は注ぎ方の技術に左右されないため、誰が淹れても濃さが安定しやすいのが利点です。紙フィルターを使うので…
玉露を淹れる(茶を淹れる)
玉露を淹れるときは、湯を50〜60℃まで冷ますほど、渋みが抑えられ甘みと旨みが立ちます。玉露は覆いをかけて育てるため渋み成分が少なく、旨み成分が多い茶葉です。低い湯温でじっくり浸すことで渋みを抑える淹れ方が向いており、煎茶と同じ茶葉でも育て方と淹れ方の両方が異なります。特別な機会や…
ほうじ茶を淹れる(茶を淹れる)
ほうじ茶を淹れるときは、茶葉が焙煎で渋みの成分が分解されているため、熱い湯をそのまま使います。ほうじ茶は茶葉を強火で焙煎してあるため、渋み成分が分解されていて熱湯でも渋みが出にくいという性質があります。食後や就寝前など、カフェインの体感が比較的軽い場面で選ばれることが多い茶で、香ばしい香りを楽しむ淹れ方が向いています。…
烏龍茶を淹れる(茶を淹れる)
烏龍茶を淹れるときは、茶葉の発酵の度合いによって湯温も浸出時間も変わります。烏龍茶は発酵の度合いが茶葉ごとに大きく異なるため、軽い発酵ほど緑茶に近い湯温が向くという幅の広さが特徴です。急須や、より小さな茶器を使って何煎も繰り返し淹れる飲み方が一般的で、1煎ごとに立ち上る香りの変化を楽しむお茶でもあります。…
二煎目以降の淹れ方(茶を淹れる)
二煎目以降の淹れ方は、一煎目と同じ条件のままだと薄くなるため、湯温を上げて時間を短くする調整です。煎茶や烏龍茶など、茶葉を繰り返し使うお茶全般に関わる考え方です。一煎目で成分の出やすい部分から先に溶け出すため、二煎目以降は残っている成分の種類が変わっていきます。一煎目と同じ淹れ方を繰り返すと…
水出し緑茶(茶を淹れる)
水出し緑茶は、常温以下の水にゆっくり浸けて、渋みを抑え甘みを引き出す淹れ方です。煎茶などの緑茶を、常温より低い水にゆっくり浸けて、渋み成分より先に甘み成分を引き出す淹れ方です。苦みや渋みが少なくすっきりした甘さの茶になるため、暑い時期にまとめて作っておく飲み方として使われます。熱いお茶と同じ茶葉でも…
チャイとミルクティー(茶を淹れる)
チャイとミルクティーは、水と茶葉を先に煮出すか、濃く淹れた紅茶に後から牛乳を注ぐかで作り方が分かれます。紅茶(アッサム・ダージリン)のようにしっかりした渋みとコクを持つ茶葉は、牛乳と合わせても味が負けにくく、ミルクティーやチャイに向いています。濃く淹れた紅茶に後から牛乳を注ぐのがイギリス式のミルクティーで…