水出しコーヒー
水出し
水出しコーヒーは、熱を使わずに水だけで抽出するため、苦みや酸っぱさが出にくい淹れ方です。
使いどころ
苦みや酸っぱさが少なく、花のような香りが立つと言われる淹れ方です。UCデイビス校の研究では、産地3種・焙煎3段階のコーヒーを4℃・22℃・92℃で淹れ、濃度を2%にそろえて冷たいまま評価しました。どの豆でも苦み・酸味・ゴム臭は92℃のほうが強く、花の香りは水出しのほうが強く出ています。夏場にまとめて作っておくのにも向きます。
淹れ方
粗挽きの粉を水に浸けて冷蔵庫へ。粉60gに水500mlが目安ですが、Joshua Weissman は粉80gに水1,400gで、12時間なら軽め・24時間なら濃くなると話します。同氏は最初に水の3分の1を約96℃にして1分蒸らし、残りを冷水で足す方法も紹介しています。岩崎泰三は8時間を基本に、物足りなければ12時間とします。お茶パックに粉を入れて沈めるだけでも作れます。
コツ・注意
常温で長時間放置しないでください—— 必ず冷蔵庫で。作ってから2〜3日で飲み切ります。出来上がったら粉を引き上げ、ペーパーで濾すと粉っぽさが出ない、とJoshua Weissmanは話します(ざるとチーズクロスは、挽きが不ぞろいだと粉っぽさが残ります)。米国のトーマス・ジェファーソン大学の研究では、カフェインとクロロゲン酸は6〜7時間で頭打ちになり、pHは熱いコーヒーと同程度でした。
出典
- 論文・英語 Batali ME, Lim LX, Liang J, Yeager SE, Thompson AN, Han J, Ristenpart WD, Guinard JX(2022) Sensory Analysis of Full Immersion Coffee: Cold Brew Is More Floral, and Less Bitter, Sour, and Rubbery Than Hot Brew
- 論文・英語 Fuller M, Rao NZ(2017) The Effect of Time, Roasting Temperature, and Grind Size on Caffeine and Chlorogenic Acid Concentrations in Cold Brew Coffee
- 動画・英語 Joshua Weissman The Easiest Cold Brew Ever: 2 Ways
- 動画 岩崎泰三 Coffee Journalist Taizo Iwasaki 水出しコーヒー 3種類飲み比べ【アイスコーヒーの作り方】アイスコーヒー学#5
解説動画: 【必見】「水出しコーヒー」じゃなくて「#氷出しコーヒー」|どんなコーヒーも劇的においしくなるよ/TETSU KASUYA World Brewers Cup Champion
水ではなく氷で出す: 水出しではなく「氷出し」という提案。器具にこだわる必要はなく、余ったサーバーでもカップでもよいという姿勢で、どんな豆でもおいしくなるとしている。
やり方: 挽き目はやや粗め。ドリッパーにペーパーをセットし、いかに無駄なく氷を敷き詰められるかが勝負—— 大きい氷より小さい氷のほうが詰めやすい。氷が溶けきるまで時間をかけて落とす。動画では途中で水も少し足している。
再現性より楽しむこと: 店で出すなら再現性を高める工夫が要るが、家でやるぶんには細かく考えずに楽しむほうがいいという立場を明確にしている。