ハンドドリップ

ハンドドリップ

ハンドドリップは、湯温・挽き目・注ぎ方など変数が多いぶん、味を狙って作れる淹れ方です。

使いどころ

豆の個性を澄んだ形で出したいとき。1〜2杯を丁寧に淹れるのに向いた方法で、器具も安価です。カメリーノ大学(イタリア)のチームは、ケニア産の中煎りを4方式で淹れて比べ、紙フィルターのV60・エアロプレスはキャラメルや花に関わる成分の割合が高く、金属フィルターの2方式は果実や焙煎に関わる成分が多かったと報告しています。

淹れ方

粉を平らにならし、まず蒸らしの湯を注いで30秒〜1分待ち、ガスを抜きます。湯の量は、粉と同量ほど(ジャパンカフェスクール)から約3倍(ジェームス・ホフマン、井崎英典)まで説明が分かれます。そのあと中心から円を描くように数回に分けて注ぎます。粉20gに湯300g、全体で2分30秒〜3分が一つの基準です。ホフマンは、粉15gに湯250gを蒸らしを含め50gずつ5回に分け、全体で約3分と話します。

コツ・注意

変えるのは一度に一つだけ—— 挽き目、湯温、注ぎ方を同時に変えると、何が効いたのか分かりません。薄いと感じたら細かく挽く、渋いなら粗くするのが最初の調整です。カリフォルニア大学デイビス校のチームは、ドリップで濃さ(TDS)と抽出率をそろえると、87・90・93℃の差は味に目立って出なかったと報告しています。縁への湯は説明が分かれ、ジャパンカフェスクールはかけない、井崎英典は壁の粉を洗い戻すため壁までかけると話します。

出典

  1. 動画・英語 James Hoffmann A Better 1 Cup V60 Technique
  2. 動画 ダイヤモンド公式チャンネル 世界一美味しいコーヒーの淹れ方〜ワールド・バリスタ・チャンピオン井崎英典が教える6つのポイント〜 How to make the most delicious coffee in the world
  3. 動画 ジャパンバーテンダースクール・ジャパンカフェスクール プロが教える!誰でも簡単にできる美味しいコーヒードリップの入れ方
  4. 論文・英語 Batali ME, Ristenpart WD, Guinard JX(2020) Brew temperature, at fixed brew strength and extraction, has little impact on the sensory profile of drip brew coffee
  5. 論文・英語 Santanatoglia A, Alessandroni L, Fioretti L, Sagratini G, Vittori S, Maggi F, Caprioli G(2023) Discrimination of Filter Coffee Extraction Methods of a Medium Roasted Specialty Coffee Based on Volatile Profiles and Sensorial Traits

解説動画: 世界一美味しいコーヒーの淹れ方〜ワールド・バリスタ・チャンピオン井崎英典が教える6つのポイント〜 How to make the most delicious coffee in the world/ダイヤモンド公式チャンネル

6つの要素: ワールド・バリスタ・チャンピオンが挙げる、味を決める要素は豆の重さ・湯の重さ・抽出時間・温度・蒸らし・注ぎ方の6つ。動画ではそのうち基本となる3つ(豆の重さ・湯の重さ・抽出時間=抽出レシピ)を扱っている。

比率が鉄則: 湯100gに対して豆6〜8g—— これは必ず守る、と断言している。濃いめが好みなら8g側。動画では中間を取って湯100gあたり7gで計算し、湯300gに対して豆21gを使っている。

なぜ「量る」のか: 計量スプーンは体積で量っているので、豆の量が正確に決まらない。コーヒー豆は焙煎度合いによって重さが変わるためで、同じ1杯でも中身の量が違ってしまう。重さで量ることで、毎回同じ味を再現できるようになるというのがこの動画の中心的な主張。