抹茶を点てる

浸漬(漬け込む)

抹茶を点てるとは、粉を湯に溶かすのではなく、茶筅で混ぜて泡立てることです。

使いどころ

抹茶は茶葉を丸ごと粉にしたもので、湯に溶けるのではなく細かい粒が散らばった状態(懸濁)になります。抹茶を販売するCrafti(英語のYouTubeチャンネル)は「抹茶は溶液ではなく懸濁液」と説明し、竹の茶筅の細い穂が粒をほぐして空気を含ませ、ダマのないなめらかな泡の層ができると話しています。

淹れ方

茶碗を温めて水気を拭き、抹茶を茶こしでふるって入れます(ふるわないとダマになります)。宇治茶の世界文化遺産登録を進める京都府の事務局は、茶杓2杯(約1.7g)に80℃前後の湯70〜80ccと案内しています。まず底の抹茶を湯になじませてから、手首を振ってM字を描くように速く動かして泡立てます。円を描く動きでは速さが足りず泡の層ができない、とCraftiは話しています。

コツ・注意

最後は茶筅を中央でゆっくり持ち上げて、大きな泡を消すと表面がなめらかになります。沸騰した湯を使うと苦みが強く出るとCraftiは話し、泡を立てるには冷水や常温の水は不向きで75〜85℃以上の湯が要ると説明しています。撹拌の回転数と時間を変えた実験では、500回転毎分・30秒の抹茶で香りが豊かだったと報告されています。9種類の抹茶を比べた別の研究では、泡立ちにはカテキンのEGCGの影響が最も大きかったと報告されています。

出典

  1. 論文・英語 Chen W, Chen J, Ni Z, Wu W, Dong J, Wang Z, Wang Y, Zhou J(2025) Comprehensive study of matcha foam formation: Physicochemical composition analysis and mechanisms impacting foaming properties
  2. 論文・英語 Li S, Tian H, Zhu G, Wei Z(2024) The application of untargeted metabolomics coupled with chemometrics for the analysis of agitation effects on the sensory profiles of matcha tea
  3. 公的機関 宇治茶世界文化遺産登録推進プラットフォーム事務局(京都府) お茶のおいしい淹れ方
  4. 動画・英語 Crafti Matcha Tutorial Lesson 2: Matcha Whisk Guide
  5. 動画・英語 Crafti Matcha Tutorial Lesson 3: Making Matcha Lattes (Barista-Approved!)

解説動画: 【初心者向】美味しい抹茶の点て方 -ポイントは3つ/サムライ茶人 / SAMURAI CHAJIN

失敗する点て方を先に見せる: 何も知らずに点てると、熱湯をそのまま注いで適当にかき混ぜることになり、抹茶の塊が浮いたままになる。飲むとチョコレートのような塊が口に入る—— この失敗を先に実演してから、正しい手順に入る構成。

準備の2つ: 茶碗を温める—— 湯の温度が低いと泡が立ちにくい。茶筅を湯につけて濡らす—— 竹製なので乾いたまま使い続けると欠けたり折れたりする。先が柔らかくなって折れにくくもなる。

湯温と分量: 抹茶は1.5〜2g、湯は80〜90℃。湯は移し替えるごとに10℃下がるので、90℃のポットから一度移せば80℃になる。

点て方: まず抹茶を湯になじませる。そのあと思った以上に速く、強く、茶碗の底のほうから前後に動かす—— 音が出るくらい。「M の字を描く」とも言われ、前後に動かしながら左右に広げると広範囲が撹拌される。茶碗の底に押しつけると茶筅が傷む。泡が立ってきたら茶筅を少し浮かせてゆっくり動かし、大きな泡を消す。最後に円を描いて中央から引き上げると表面がきれいに仕上がる。