フレンチプレス
浸漬(漬け込む)
フレンチプレスは、金属フィルターで粉を漬け込むだけの、技術が要らず味が安定する抽出方法です。
使いどころ
ハンドドリップより技術の差が出にくく、初心者にすすめやすいと、トモヤの珈琲塾は説明しています。豆の油分も抽出されるので、コクのある仕上がりに。紅茶にも使えます。カリフォルニア大学デイビス校は、漬け込み式の抽出を平衡のモデルと実験で調べ、濃さは湯と粉の比でほぼ決まり、抽出率は約21%で比によらないと報告しています。
淹れ方
粗めから中挽きの粉に湯を注ぎ、4分待ちます。粉15gに湯250gが目安で、ジェームス・ホフマンは1Lあたり60〜70gから始めるよう勧めます。湯温は92〜95℃(トモヤの珈琲塾、深煎りは低め)。ホフマンは4分後に表面の泡や浮いた粉をすくい、5分以上置いて微粉を沈めてから、プランジャーは押し切らず静かに注ぎます。トモヤの珈琲塾は、注いだ直後に底まで4回混ぜると、混ぜないときとの試し比べで甘みが強く出たと話します。
コツ・注意
金属フィルターなので、豆の油分と微粉が液体に残ります—— これがコクであり「濁り」でもあります。押し下げたまま放置すると抽出が進みすぎて渋くなるので、押したらすぐ全量をカップかサーバーに移してください。Urgertらは、健康な46人が24週、毎日5〜6杯(0.9L)の濃いコーヒーを飲む試験で、フレンチプレス式の群は濾過した群よりLDLコレステロールと肝酵素(ALT)が高く、終了後に戻ったと報告しています。
出典
- 動画・英語 James Hoffmann The Ultimate French Press Technique
- 動画 トモヤの珈琲塾 【フレンチプレスの美味しい淹れ方】一手間加えるだけで劇的に美味しくなる裏技もご紹介!
- 論文・英語 Liang J, Chan KC, Ristenpart WD(2021) An equilibrium desorption model for the strength and extraction yield of full immersion brewed coffee
- 論文・英語 Urgert R, Meyboom S, Kuilman M, Rexwinkel H, Vissers MN, Klerk M, Katan MB(1996) Comparison of effect of cafetière and filtered coffee on serum concentrations of liver aminotransferases and lipids: six month randomised controlled trial
解説動画: フレンチプレスコーヒー キホンの「キ」//岩崎泰三 -Coffee Journalist Taizo Iwasaki -
器具について: コーヒージャーナリストによるフレンチプレスの回。動画ではボダムのシャンボールを使用している。フレンチプレスという名前だがフランス発祥かは定かでなく、ヨーロッパで似た器具がいろいろ流行した中から生まれたものだと触れている。
細部が効く: フレンチプレスにも細かいコツがいくつもあり、やるとやらないとで結果がかなり変わるという立場で、その一つずつを検証していく構成になっている。