出格子

外まわりの造作

外壁より前へ張り出して取り付ける格子です。道の側へ出るぶん光と風を余計に取り込み、内から通りの様子も見えます。

どんな形か

壁の面から手前へ持ち出し、下を持送りで受ける格子です。奥行きは浅く、腰から鴨居までの高さで組み、上に小庇、下に板の底を付けて箱の形に閉じます。竪子の太さと間隔は町や商いで変わり、京都では糸屋格子・米屋格子のように呼び分けます。糸の色を見るため上を切り上げた組み方、俵を扱う店で下を太くした組み方と、手元の仕事に合わせて刻みが決まります。

なぜその形になったか

道へ張り出して、明かりと風と外の気配を稼ぐためです。間口の狭い町家では壁の面だけでは光が入らず、格子を前へ出すと左右からも光が回り込みます。内は暗く外は明るいので、内から通りは見え、外から中は見えにくいという差も生まれます。商いの店先では品を並べる棚や台と一体に作られ、仕事の道具としての窓になりました。壁と柱を残したまま開口を広げられることも、この付け方が選ばれた理由に挙げられます。

見分けの決め手

壁から前へ出ているか、下に持送りや腕木があるかを見ます。面一の平格子は壁と同じ面で終わるため、脇に影が落ちません。出格子は横から見ると箱に見え、上の小庇と下の板底がそろいます。足元まで下りていれば犬矢来で、これは窓ではなく囲いです。岡山県倉敷市の倉敷格子のように、竪子を数本ずつまとめて刻む土地ごとの組み方も残ります。

取り違えやすい相手

壁と面一の平格子と、犬矢来が相手です。張り出しの量と、地面まで下りているかで分かれます。犬矢来は割竹や木を曲げて建物の足元だけを覆う囲いで、明かりを取る役目を持ちません。虫籠窓とも紛れますが、あちらは二階の塗り込めた固定窓で高さが違います。後から出格子に替えた町家もあり、柱の傷や壁の継ぎ目に前の姿が残ります。

どのあたりで見られるか

京都府京都市や奈良県橿原市今井町の町家のほか、岡山県倉敷市の倉敷川畔、山口県萩市の町並みでも道沿いに並びます。同じ名で拾える解説は文化遺産オンラインに302件あり、近畿から中国四国まで広がります。正面からではなく、通りに沿って歩きながら横目で見ると張り出しの奥行きがつかめます。格子の内側は住まいなので、のぞき込まずに道から見ます。