キジバトとカワラバト

色と模様で迷う組

背中にうろこ模様があればキジバトです。カワラバトは灰色一色か翼に2本の黒い帯が入る個体が多く、首の側に細い縞も並びません。

並べる2種

どちらも全長33cm前後のハトで、街で最もよく重なります。キジバトは公園や住宅地に1羽かつがいでいることが多く、カワラバトは駅前や橋の下、ビル街と高い建物のまわりに数十羽の群れをつくります。和名は日本鳥学会「日本鳥類目録 改訂第8版」に合わせたもので、街では「ドバト」の名で呼ばれています。同じ地面に両方が降りることもあります。

決め手になる1点

背のうろこ模様と首の縞です。キジバトの背は赤褐色の羽が鱗のように重なり、首の側に青と黒の細い縞が並びます。カワラバトのもとの型は灰色の体に2本の黒い翼帯で、首は緑と紫に光りますが縞にはなりません。翼帯が残っているかどうかは、色変わりの個体でも読めます。背中が見えない角度でも、首の側面だけで足ります。群れの中では、背の色がそろっていないほうがカワラバトの側です。

その1点が使えない条件

灰色一色の個体を1羽だけ見たときは決まりません。カワラバトは家禽になったものが野生化した鳥で、白、褐色、黒斑と羽色が個体ごとに違い、うろこ模様に近い並びが出ることもあります。ここでは体の色から離れ、群れ方と飛び方へ移ります。翼をV字に上げて滑空するのはカワラバトの側で、キジバトは尾の先の白い帯を見せて飛びます。尾を広げた形も違い、キジバトの尾は先が丸く見えます。

よくある取り違え

首の縞がまだ出ていないキジバトの幼鳥を、カワラバトと数える取り違えです。縞は成鳥の特徴で、幼鳥では背のうろこ模様も淡く出ます。声のほうは年間を通して残るので、キジバトのデッデポッポーが近くで続いていれば手がかりになります。白い個体を、放された別の種と見る取り違えも起こり、これは色変わりのカワラバトです。巣立って間もない個体は羽の縁が淡く、体つきも細く見えます。

決められないときの引き下がり方

色も群れ方も読めない1羽なら、「ハトの仲間」で保留にします。見えた特徴を並べて、種名の欄は空けておく形にすれば、後から並びを見て決め直せます。灰色だったからカワラバト、と埋めた記録は、次に同じ個体に会っても確かめようがありません。住宅地の路地と庭先なら同じ個体が居つくので、飛び立つまで待てば翼の形が答えます。その日に決まらなかったことも、記録としては欠けていません。