ホシハジロとキンクロハジロ

色と模様で迷う組

頭の色と冠羽の有無で、雄は分かれます。ホシハジロの雄は赤褐色の頭に赤い目、キンクロハジロの雄は紫の光沢のある黒い頭で、後頭から細い冠羽が垂れます。

並べる2種

冬の池と川で最もよく重なる、潜って食べるカモの2種です。ホシハジロは全長45cmほどで背が灰白色に見え、キンクロハジロは全長40cmほどで脇腹だけが白く抜けます。どちらも数十羽の群れで同じ水面を使うため、混じったまま浮かんで、同じ向きに流されていきます。潜っては浮かぶので、見ていられる時間が短いことも、迷いが長引く理由になります。

決め手になる1点

雄なら頭の色、冠羽、目の色の3点で決まります。ホシハジロの雄は赤褐色の頭に赤い虹彩で、後頭に突き出る羽がなく、背から脇が明るい灰色です。キンクロハジロの雄は黒い頭に紫の光沢、冠羽が後ろへ垂れ、虹彩は黄色です。白い部分の位置も逆で、前者は背中側、後者は脇腹が白く見えます。遠くて色が出ない日でも、白の位置なら残ります。水面の反射が強い日は、潜る直前に伸び上がる一瞬が最も色の出るところです。

その1点が使えない条件

褐色の雌どうしでは、この3点が効きません。どちらも地味な褐色で、キンクロハジロの雌には嘴の基部に白い斑が出る個体があり、冠羽も雌では短く読みにくくなります。眠って頭を背に入れている個体では色も形も届かず、公園の池とお堀のように岸から遠い水面では、浮上を待っても目の色まで確かめられません。ここでは雄を先に見る手順へ切り替えます。

よくある取り違え

海と港や河口の干潟で数の多いスズガモが、キンクロハジロの雌に重なります。スズガモには垂れる冠羽が無く、背が細かい灰色の波模様になりますが、遠目には同じ褐色の頭です。どの水面にどれだけいるかは環境省「ガンカモ類の生息調査」の都道府県別の集計で見当がつき、内陸の池で多いのはキンクロハジロの側という読み方ができます。場所から入ると迷いが減ります。

決められないときの引き下がり方

潜られたら、次に浮くまで待ちます。それでも頭の色も目の色も読めない褐色の個体なら、「ハジロの仲間の雌」までにして種を決めないのが引き下がり方です。混群の中で1羽だけ迷ったときは、同じ群れの雄を先に数えて、雌の候補を絞る書き方に変えます。決まらない1羽は保留のまま残し、群れ全体の数だけを確かなものとして書き取ります。同じ池でも日ごとに群れの顔ぶれが変わるので、翌週に見直せる欄を空けておきます。