ハクセキレイとセグロセキレイ

色と模様で迷う組

頬の色だけが通年で効きます。ハクセキレイは幼鳥まで頬が白く、セグロセキレイは頬まで黒いので、背の黒さではなくここを見ます。

並べる2種

ハクセキレイとセグロセキレイは、白黒の配色も、尾を上下に振る動きも似ていて、川の瀬と中州では並んで歩きます。背中の黒さで分けようとすると、季節と雌雄で入れ替わって決まりません。市街地の駐車場や屋上まで出るのがハクセキレイ、河川の中流域に多いのがセグロセキレイという差はありますが、同じ河原に両方が出る日もあります。冬の河原には両種が集まり、同じ石の上を交代で使うこともあります。

決め手になる1点

見るのは顔の側面、頬の色の一点です。ハクセキレイは頬が白く、目の高さを通る過眼線が黒い線として入るだけです。セグロセキレイは頬から喉まで黒く、白いのは眉斑だけになります。この差は幼鳥でも雌でも、夏でも冬でも変わりません。白い顔に黒い線ならハクセキレイ、黒い顔に白い眉ならセグロセキレイ、という順で読みます。頬は体の側面にあるので、水辺で目線を低くするほど正面から見やすくなります。

その1点が使えない条件

背の黒さは条件になりません。ハクセキレイは夏羽の雄で背が黒くなり、冬や雌では灰色に変わるため、背だけを見た人はセグロセキレイと取り違えます。この季節差はハクセキレイの夏羽と冬羽の受け持ちです。顔が影になる逆光や、頬の面が見えない後ろ姿でも決まらず、水面の照り返しが強い日は白がにじんで線を追えません。雨に濡れて羽の色が濃く出るときも、白と黒の境目は曖昧になります。

よくある取り違え

「背黒」という名に引かれて、背の黒い個体をセグロセキレイと呼ぶのがよくある取り違えです。夏のハクセキレイの雄は背が黒く、名前のほうが誤解を招きます。声も補助になり、ハクセキレイは澄んだ「チチン」、セグロセキレイは濁った「ジジッ」と鳴きます。腹の黄色いキセキレイは色で分かれますが、尾を振る動きと歩き方は3種とも似ています。歩き方で決めようとすると、3種とも同じ結論に行き着いてしまいます。

決められないときの引き下がり方

顔の向きが取れないなら、「セキレイの仲間」で止めるのが引き下がり方です。歩いている個体は数十秒でこちらを向くことが多く、同じ場所で少し待つだけで頬が見えます。頬が影のままなら、「背は黒・頬は不明」と条件を付けて残し、種名は保留にします。名前を先に決めてから特徴を当てはめると、誤りが次の観察まで残ります。河原では同じ個体が戻ってくることが多く、待つ時間は無駄になりません。