タゲリ

田んぼと農地

いつ日本にいるか: 冬に来る(冬鳥)

頭から反り返って伸びる冠羽で決まります。冬に本州以南の水田へ来るチドリの仲間で、背は光の向きによって緑にも紫にも見えます。

まずここを見る

頭の後ろを見ます。細く長い冠羽が上へ反り返る鳥はほかにいないので、遠くの畦に立っていても輪郭だけで決まります。背は暗く見えますが、日が斜めに当たると緑や紫の光沢が現れ、色の印象が向きで変わります。顔は白と黒に分かれ、胸には幅の広い黒帯、下腹は白、尾の下は淡い橙色です。群れでいることが多く、一羽が首を伸ばすと周りも顔を上げるので、動きが揃うのも目印になります。

大きさとかたち

全長32cm前後で、キジバトと同じくらいの大きさです。脚は短く、体を水平に構え、数歩走っては止まる動きを繰り返します。ダイサギのように脚と首で立つ体つきではなく、胴の丸い、ずんぐりした輪郭です。翼はチドリ類のなかでは幅が広く先が丸いため羽ばたきがゆっくりで、群れが低く舞うと白と黒が交互に閃きます。歩く姿と飛ぶ姿で、受ける印象がまるで違う鳥です。

いつ・どこで会えるか

冬鳥として本州以南の水田地帯に来ます。刈り跡の残る田や休耕田、畑で群れになるので、田んぼと用水路を日中に歩けば見つかります。会える時期は十一月から三月に集中し、雪の深い地域では、より南へ移ります。全国鳥類越冬分布調査は、記録メッシュ数が前回調査より二割弱減ったこと、水田面積の減少が一因と考えられることを述べています。田の作りが変われば、来る場所も変わる鳥です。

こえ

ミュー、ミューという鼻にかかった声で鳴き、猫のようにも子どもの声のようにも聞こえます。飛び立つときや群れが移動するときに出すため、静かな冬の田で最初に届く合図になります。一羽が鳴いて浮くと群れ全体が続くので、声は移動の号令としても働きます。地上にいる間は黙っていることが多く、田んぼと用水路では声を待つより、群れが動いた瞬間に耳を向けるほうが実際的です。

そっくりな鳥との違い

同じ田に立つケリと迷います。ケリは冠羽を持たず、脚と嘴が黄色で、一年を通して同じ地域にいます。タゲリの脚は暗く、嘴も黒く短く、冠羽が立ちます。大きさもケリのほうが大きく、飛んだときの翼の白と黒の分かれ方も違います。ケリは人が近づくと鳴きながら飛び回るので、騒がせたと分かったら下がります。遠くて冠羽が伏せて見えるときは、脚の色が確かめられる距離まで待ちます。