モズ
田んぼと農地
いつ日本にいるか: 一年中いる(留鳥)
目の黒い線と、先の曲がった嘴で決まります。杭や電線の先に一羽で止まり、長い尾を回すように振るので、動きからも見当がつきます。
まずここを見る
顔と嘴を見ます。目を横切る過眼線が太く走り、嘴は先が鉤のように下へ曲がります。この嘴は小鳥やトカゲ、昆虫をつかむための形で、スズメ大の体に不釣り合いな厚みがあります。止まる場所は見晴らしのきく先端で、電線、杭、細い枝の先に一羽でいます。尾をゆっくり回すように振る動きが加われば、ほぼこの鳥です。周りに同種がいないことも手がかりになります。
大きさとかたち
スズメとヒヨドリの中間の大きさで、嘴の先から尾の先まで測ると約20cmです。体の割に頭が大きく尾が長い輪郭で、止まっているときは縦に立った姿勢になります。雄は過眼線が黒く、翼に白い斑が出ます。雌は過眼線が褐色で、脇に細かい横斑が並びます。飛ぶときは低く直線的に滑って、次の止まり場へ移ります。止まり木を変えるたび、尾がひと呼吸遅れて追いつきます。
いつ・どこで会えるか
秋がいちばん見つけやすい季節です。9月から10月にかけて「キーッ キチキチ」と高く鳴き、冬の縄張りを宣言します。この時期は雌雄が別々の場所を構えるため、見通しのよい農地に点々と入ります。獲物を枝や有刺鉄線に刺すはやにえも、秋から冬にかけて増えます。西田と高木 2019 は、雄がはやにえを食べるほど囀りの質が上がり、つがい相手を得やすいという関係を報告しています。
こえ
高鳴きは「キーッ」と伸ばしてから「キチキチキチ」と刻む形で、秋に集中します。繁殖期には別の顔があり、他の種の節を混ぜて長く続ける囀りをします。ウグイスやヒバリに似た節が挟まるので、声だけで追うと出どころを取り違えます。高い場所から降ってくる、割れた金属質の声という質感が手がかりです。時期と役割の整理はモズの高鳴きにまとめてあります。
そっくりな鳥との違い
雌雄で顔つきが違い、雌は過眼線が褐色で、全体に淡く見えます。大きさで迷う相手はヒヨドリとツグミです。ヒヨドリは全長27cmほどで頭の羽が逆立ち、頬に褐色の斑が入ります。ツグミは全長24cmほどで胸に黒い斑が散り、地上を跳ねては止まります。モズは嘴の鉤と、尾を回す動きが加わるので、止まった姿勢を見れば分かれます。