オオヨシキリ

田んぼと農地

いつ日本にいるか: 夏に来る(夏鳥)

決め手は、囀るときに見える口の中の赤さです。ヨシの穂先に体を立てて出るので、夏の水辺では姿と声を同時に確かめられます。

まずここを見る

囀っている間、開いた口の中を見ます。嘴を大きく開いたときに口の中が橙がかった赤に見えるのが、この鳥の分かれ目です。体は上面が淡い褐色、下面は汚れた白で、模様がほとんどないため、色では決まりません。とまる場所も手がかりで、ヨシやオギの穂の先に体を垂直に立てて出るので、草に隠れず全身が見えます。囀りの合間は草の間へ降りてしまい、見えている時間は短くなります。

大きさとかたち

全長18cm前後で、スズメよりはっきり大きく、ヨシ原の小鳥としては大柄です。尾は長めで先が丸く、翼は短いので、飛ぶとずんぐりした胴に短い翼という形に見えます。嘴は細くとがり、頭は平たく、囀るときは頭の羽を立てて角張ります。脚は太く、縦の茎をつかんだまま登り降りする力があります。移動は数メートルずつで、ヨシ原の上を長く飛ぶことはあまりありません。

いつ・どこで会えるか

五月ごろに渡ってきて、秋には南へ抜ける夏鳥です。囀りは六月から七月にかけていちばん高くなり、河川敷のヨシ原と草地が主な場所になります。ヨシは休耕田や水路沿いにも立つので、田んぼと用水路の縁からも声が上がります。渡ってきた直後は数がまばらで、六月に入ると同じ場所で何羽もの声が重なるようになります。全国鳥類繁殖分布調査でも、記録はヨシ原の続く低地の水辺に寄っています。

こえ

ギョギョシ、ギョギョシと濁った声を、間を詰めて長く続けます。この繰り返しからオオヨシキリの行々子の聞きなしが生まれ、俳句では行々子が夏の季語として使われてきました。夜明け前から日中の暑い時間まで途切れず、ヨシ原全体が声で埋まります。風の強い日は葉のすれる音に紛れて届きにくくなります。人が近づくとギチギチという短い声に変わるので、そこで足を止めます。

そっくりな鳥との違い

紛れるのはコヨシキリです。コヨシキリは眉斑が白くはっきりし、その上に黒い頭側線が一本走ります。オオヨシキリの眉斑は淡く、頭側線は出ません。全長も18cmと14cmほどで差があり、声はコヨシキリのほうが高く早口です。とまる高さも違い、コヨシキリは草の中ほどに隠れがちです。声だけで決めると両方いる草地で取り違えますので、頭の線が見える距離まで待ちます。セッカとは大きさが離れ、迷いません。