ミヤマガラス
田んぼと農地
いつ日本にいるか: 冬に来る(冬鳥)
嘴の細さと、付け根の白さで決まります。冬に群れで田へ降りるカラスで、太い嘴のハシボソガラスと並ぶと顔つきの差が出ます。
まずここを見る
嘴を見れば足ります。細くまっすぐで先のとがった嘴がこの鳥の形で、成鳥では嘴の付け根の皮膚が白っぽく露出し、顔に白い区画があるように見えます。全身は黒く、日が当たると紫がかった青の光沢が出ます。額は嘴の付け根から急に立ち上がるため、頭が角張って高く見える輪郭になります。腿のあたりの羽がゆるく、立っているとズボンをはいたように見えるのも手がかりです。
大きさとかたち
全長47cm前後で、ハシブトガラスよりやや小さく、ハシボソガラスとほぼ同じ寸法です。体つきは細身で翼の先が細く、飛ぶと尾が短めに見えます。地上では歩幅の小さな歩きで田の面をつつきながら進みます。数十羽から数百羽がまとまって降り、同じ向きに動くので、群れの形も見分けの一部になります。飛び立つときも一斉で、黒い塊がそのまま横へ移るように見えます。
いつ・どこで会えるか
秋に大陸から渡ってきて春に帰る冬鳥です。刈り取りの終わった田んぼと用水路で日中に採食し、夕方には林や高い木のある方へ移動します。会える時期は十月から三月に偏り、真冬にいちばん群れが大きくなります。全国鳥類越冬分布調査は、1980年代には九州の水田地帯が中心だった分布が広がり、全国で記録される種になったと述べています。内陸の畑地でも記録が増えています。
こえ
クァー、クァーという、かすれて軽い声を群れで重ねます。一羽ずつ聞き分けるより、田に降りた黒い群れがざわざわと鳴き続ける状態で気づくことが多い鳥です。ハシブトガラスのカアの澄んだ声とは調子が違い、濁って高く、語尾が短く切れます。飛び立つ直前には声がひときわ増え、ねぐらへ向かう夕方は、声の帯と群れの列が同じ方向へ動きます。田の上では声が低く広がり、林に入ると反響して聞こえます。
そっくりな鳥との違い
ハシボソガラスがいちばん紛れます。嘴が太く上の縁が曲がり、額から嘴へなだらかに続き、成鳥でも付け根は黒いままです。数の出方も違い、ハシボソガラスは数羽から十数羽で散らばりますが、ミヤマガラスは大きな群れで一斉に降り、横に並んで歩く傾向があります。群れの中に一回り小さいコクマルガラスが混じることもあります。若い個体は嘴が黒く、この点では決められません。