最後の晩餐

ルネサンス

レオナルド・ダ・ヴィンチ/1495〜98年

どんな絵か

ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院、食堂の壁いっぱいに広がる高さ4m余り・幅9m近い壁画。長い机の向こうに十三人が横一列に並び、「この中の一人が私を裏切る」とキリストが告げた直後のざわめきが描かれる。

どこを見るか

消失点はキリストの顔の位置にある。天井の桁も壁掛けの縁も机の線も、すべてそこへ集まる一点透視で組まれている。使徒は三人ずつ四組に分かれ、中央のキリストだけが一人。両腕を広げた姿は三角構図に収まり、背後の三つの窓が室内でいちばん明るい。

使われている技法

フレスコではない。乾いた漆喰の上にテンペラで描いたため細部を何度も直せた反面、1517年には剥落が始まっていた。いま見えているのは1999年まで続いた修復を経た姿で、当初の色そのものではない。

描かれた背景

1495〜98年、ミラノ公ルドヴィコ・スフォルツァの注文で修道院の食堂に描かれた。絵の中の部屋が食堂の奥へ続く一室のように見えるとよく言われるが、消失点は実際の目線よりかなり高い位置にある。人物の同定には諸説あり、ユダとされる人物についても読み方が一つに定まっていない。

解説動画: 修復後の色と細部、イエスへ集まる遠近法の線/BSテレ東

どんな絵として紹介しているか: 現存するレオナルドの作品で最大、しかも唯一の壁画だと紹介する。描かれているのは、この中の一人が自分を裏切ろうとしているとイエスが告げた場面。番組は原寸大に再現した陶板の複製を至近距離から見るもので、修復前と修復後を並べて見比べられるのが特徴。修復後は青と赤がとりわけ鮮やかだと話している。

近づくと分かる細部: いちばん驚いた点として、イエスの唇がほんのわずかに開いていることを挙げ、まさに告げた瞬間なのだと分かると話す。ユダは右手に、裏切りの対価として受け取った銀貨を握りしめている。従来はユダを机の手前に置くなど他の弟子と区別して描くのが普通だったが、レオナルドは区別せず一緒に描いたと説明している。

線が集まる先: 三という数にまつわるものがいくつも含まれていて、三位一体の信仰を示唆しているとされると触れる。構図では消失点がイエスの右こめかみにあり、画面の直線がすべてそこへ向かう。この遠近法の組み立てが世界の中心にイエスがいることを意味し、場面をより劇的に盛り上げていると述べ、伝統的な描き方への大きな挑戦だったと締める。