ピーマン

果菜

向き: 条件つき

一度実り始めると、秋まで採り続けられます。25〜30℃を好み、60日ほどで最初の実が付きますが、カリウムとカルシウムは途中で足りなくなりがちです。

この系で育つか

FAO 589 はメディアベッド向きとし、11cm径のパイプならNFT(薄膜水耕)でも支柱を足せば育つとしています。硝酸20〜120mg/Lが初期の茎葉を作る範囲で、花が咲いてからはカリウムとリンの側が要ります。一度実り始めると長く採れるぶん、足りない状態も長く続くのがこの作物の難しさです。

必要な養分

実を太らせるのはカリウム(K)とリン酸(PO₄-P)です。Villarroel ら 2011 は、ティラピアの小規模な循環水を5週追い、餌1kgあたりのイオンの増え方が硝酸、カルシウム、リン酸、カリウムの順だったと報告しました。魚の排出だけでは植物の要求を満たせないというのが同論文の結びです。カルシウム(Ca)も外から足します。

出やすい不調

花が落ちるのは養分だけの話ではありません。FAO 589 は30〜35℃を超えると落花し、10〜12℃を下回ると生育が止まって実が変形するとしています。先に水温と気温を見て、温度で説明が付かないときに養分を疑う順にします。実の尻がくぼむなら、内側の若い葉の先が茶色く枯れると同じカルシウム側です。

収穫までの目安

発芽8〜12日(22〜30℃)で、13℃を下回ると発芽しません。生育は60〜95日、日中22〜30℃、夜14〜16℃、pH は5.5〜6.5 が FAO 589 の目安です。最初の花をいくつか摘むと株が先に育ちます。色が変わるまで置いてから採ると、次の花と実が続けて付きます。実る数が多すぎるときは花を減らします。

解説動画: 家庭菜園や農園のピーマン栽培は肥料の量が重要!花芽が育たない時の対策とピーマンの育て方!【農家直伝】Tips for when bell peppers do not have flower buds/農家直伝!家庭菜園らいふ

花が咲かない訳: 動画は、ピーマンの花芽ができないときの原因を、肥料不足・肥料過多・日照不足・水のやりすぎに分けて挙げます。収穫が始まるこの時期にいちばん気をつけたいのは肥料が効きすぎている側で、葉と茎ばかりが大きくなって花芽が付かなくなると述べます。まず株を見て、どれに当たるかを決めてから手を打つ順です。

葉のかたちで見る: 効きすぎの株では、実は点々と付いているのに花が少なく、葉が波を打ち、丸まっているものが多いと映します。反対に下のほうが全体に黄色いなら足りない側で、咲く前の花芽が地面に何個も落ちているのも足りない合図だと述べます。同じ「花が付かない」でも、窒素が余っているか足りないかで手当てが逆になり、この系で見る数字が硝酸態窒素(NO₃-N)です。

乾くと吸えない: 動画は、養分があっても水が足りなければうまく吸えないことを、追肥と同じ意味合いの話として並べます。乾きが進むと花芽ができづらく、梅雨の時期は心配が少なく、夏場はとくに要注意だと述べます。追肥の前に土の湿り具合を確かめ、足りないのが水なのか養分なのかを見てから決める、という順に置いています。

脇芽で使わせる: 肥料が効きすぎている株には、脇芽をあえて少し育ててから摘み取るという手を挙げます。ふだんはどんどん抜いたほうがよい脇芽を伸ばすことで、余っている窒素分を脇芽で使わせるという考え方です。足すのを止めて待つだけでなく、株に使わせて減らす側からも寄せていく手当てになります。

支柱に切り替える: 背丈が50cmほどになったところで、麻ひもで枝を結んで釣り上げる仕立てに切り替える作業まで映します。実が付けば枝は下へ垂れ、誘引が遅れて風に煽られると枝が折れ、花芽も落ちてしまうので、遅れずに替えると述べます。原因が分かれるからこそ、まず株の状態を確かめてから当てはめる——動画はその順で通します。