サヤインゲン

果菜

向き: 条件つき

マメ科ですが、この系では窒素を自分でまかなうとは限りません。培地に根粒菌がいなければほかの果菜と同じく水から養分を取り、45日ほどで莢が付きます。

この系で育つか

FAO 589 はマメ科を養分要求の低い組に入れ、立ち上げ直後の系にすすめています。ただし根粒は、根粒菌が培地にいて感染したときにだけできる器官です。まわりの硝酸が高いと、根粒の形成も窒素固定も抑えられます。シロクローバで測った Carroll と Gresshoff 1983 をはじめ古くからの報告があり、この系は硝酸がある前提なので、窒素は水から取ると見ておくほうが外しません。

必要な養分

硝酸態窒素(NO₃-N)は少なくて足ります。FAO 589 は、硝酸が多すぎると開花が遅れるとしています。要るのはリン酸(PO₄-P)とカリウム(K)で、どちらも中くらいの量です。硝酸がまだ薄い立ち上げ期でも育つので、最初に入れる作物として置けます。葉物と並べても、硝酸の取り合いになりにくい相手です。

出やすい不調

FAO 589 は12〜14℃を下回ると伸びず、35℃を超えると花が落ちて莢が付かないとしています。莢が太らないときは、養分より先に温度を疑います。アブラムシとハダニが付きやすい作物なので、混ぜて植える相手を選び、葉の裏を見ます。古い葉の縁から枯れ込むならカリウム側です。莢は硬くなる前に採り、株に残さないほうが次の花が続きます。

収穫までの目安

発芽8〜10日(21〜26℃)、成熟までは品種によって50〜110日と幅があります(FAO 589)。日中22〜26℃、夜16〜18℃、pH は5.5〜7.0。株間は10〜30cmで、つるなしは1m²に20〜40株、つるありは10〜12株です。移植を嫌うので、床へ直にまきます。つるありは棚が要り、つるなしは床の低い位置だけで完結します。

解説動画: インゲンの育て方を徹底解説!種まきから栽培中の管理・収穫まで【つくる通信】/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

つるあり・つるなし: 動画はまず品種を二つに分けます。つるなしは草丈50cmほどで支柱が要らず、つるありは2m以上に伸びるので支柱かネットを立てて這わせる。伸びるぶん採れる量も多く、つるありは1か月ほど、つるなしは2週間ほどで採り終えると、期間まで違うことを示します。どちらを植えるかで置き場所と手のかけ方が先に決まる、という入り方です。

まく温度と間隔: 発芽適温は20〜25℃、生育適温は15〜28℃。地温が低いと発芽しないので、15℃を超える4月中旬以降にまくとしています。まき方は1か所に2〜3粒、深さ2cm、株間30〜40cm。本葉が2枚になるまでに1〜2株へ間引きます。ポットにまいたものは20日ほど、本葉が1〜2枚のうちに植え付ける。マメ科は連作を嫌うとも付け加えます。

肥料は少なめに: マメ科なので元肥は少なめでよい、と動画は繰り返します。多く与えると葉ばかり伸びて実がつかない、いわゆるつるぼけになるためで、追肥もつるありで花のころと採り始めに少し足す程度にとどめる。つるぼけてしまったときは摘心して脇から出る枝を伸ばすと実つきが戻る、と直し方まで置いています。

花と莢が止まる: 実がつかないときの原因として、30℃を超えると実つきが悪くなり、花が落ちることを挙げ、暑くなりきる前に収穫まで持っていく作型をすすめます。莢が硬く曲がるのは水分不足。葉が縮むモザイク病はアブラムシが運ぶので、その株ごと抜いて外へ出す。うどんこ病は風通しが悪いと出るとして、下葉を切る対処を挙げます。

早めに採り続ける: 莢が15〜20cmにふくらんだら採りどきで、取り遅れると硬くなって株の負担も増えるため、早め早めに採るほうが次の実が続く、と結びます。動画が挙げた手当てはまく温度・水やり・採る間隔に寄っていて、肥料を増やす話にはなりません。養分を水から取るこの系で読んでも、そのまま残る話です。