硝酸態とアンモニア態

組成と処方

同じ窒素でも、形が違えば効き方が変わります。アンモニア態を多く取り込むと根のまわりは酸性へ、硝酸態が多いとアルカリ側へ動きます。

何を担う成分・数字か

窒素は硝酸イオンとアンモニウムイオンの形で渡ります。硝酸は陰イオン、アンモニウムは陽イオンなので、根が取り込むときに水へ返す電荷が逆になります。そのため同じ窒素の量でも、根のまわりのpHが動く向きが反対になります。カルシウムやカリウムとの取り合いも、陽イオンの側にだけ起こります。硝酸のほうは株の中でいったん還元してから使うので、その分の手間が株側にかかります。

目安の範囲

園試処方と山崎処方の園試処方は硝酸態窒素16 me/L に対してアンモニア態1.3 me/L、全窒素の1割弱です。神奈川県の施肥基準(令和4年)が載せるバラのロックウール栽培の給液は、愛知の例で硝酸態11.0・アンモニア態2.0 me/L、オランダの例では11.0と1.25 me/L です。根圏では0.5 me/L 未満に置いています。

動かすと何が変わるか

同じ資料は、硝酸イオンが先に吸われると培養液のpHは上がり、アンモニウムイオンが先だと下がると書いています。循環させる装置ほどこの向きが積み上がるので、アンモニア態を少し混ぜて上がりを抑える組み方になります。混ぜ過ぎると今度は下がり過ぎ、pHと養分の溶けかたの側が崩れます。韓国 KIST の実証温室の段階別の処方も、硝酸態とアンモニア態を別々の目標として置いていました(Lee ら 2026)。

測りかたと直しかた

形ごとに知るには水質分析が要ります。頼むときは硝酸態とアンモニア態を分けて出してもらいます。合計の窒素だけでは比が分かりません。日々はpH計の動く向きで読め、上がり続けるなら硝酸態に寄っている、下がり続けるならアンモニア態が効きすぎている、という見方になります。戻し方はpHの上げ下げに置きました。作物と季節で適した比は変わるので、1つの数字に決め打ちしません。