ホーグランド処方

組成と処方

1933年に作られ、いまも比べるときの基準に使われます。肥沃な土の水を真似た処方で、薄めて使う報告が多くあります。

何を担う成分・数字か

1933年に Hoagland と Snyder がイチゴの栄養の研究のために作り、1938年に Hoagland と Arnon が微量要素を必須元素の分だけに絞りました。1950年の Arnon の改訂で動いたのはモリブデンの量だけです。肥沃な土の水を真似た設計で、窒素とカリウムが濃く、トマトやピーマンのように大きく育つ株に向くとされています。

目安の範囲

1938年と1950年の組成は窒素210、リン31、カリウム235、カルシウム200(処方2は160)、マグネシウム48.6、硫黄64 mg/L。微量要素はホウ素0.5、マンガン0.5、亜鉛0.05、銅0.02、鉄2.9〜5 mg/L です。窒素とカリウムは HS796 のトマト向けより一段濃く、要求の小さい作物には4分の1や5分の1に薄めて使うと書かれています。そのまま当てる濃さではありません。

動かすと何が変わるか

濃いまま当てると根のまわりの塩類が濃くなり、水の入りが鈍ります。薄めれば安全側ですが養液のECは下がり、生育の後半で足りなくなります。韓国 KIST の実証温室でツボクサを育てた比較では、固定のホーグランド処方や EC だけ合わせ直した処方より、生育段階ごとに組成を変えたほうが地上部と根の乾物重が大きかったと報告されています(Lee ら 2026)。

測りかたと直しかた

そのまま溶かすのではなく、原水の成分を引いてから足りない分を組みます。同じ実証(床面積63.9 m²、1平方メートルあたり16〜25株、区画ごとに4反復)では、3日ごとの補正が葉の展開期は硝酸、肥大期はカリウム、後期はカルシウム・鉄・ホウ素で大きかったとされます。減り方の順を測れば、どこを足すかが決まるという読み方です。1つの温室の1作の結果です。

解説動画: [Wikipedia] Hoagland solution/WikiTubia

誰がいつ作ったか: 動画は百科事典の記述を読み上げる形で、この処方が1938年に Hoagland と Arnonの手で作られ、1950年に Arnon が改訂したものだと述べます。少なくとも研究の世界では最もよく使われる組成のひとつで、その後の手直しは、主に鉄のキレート剤を足す形で入ってきたと続けます。

元の組成の数字: 元の組成として、窒素210・カリウム235・カルシウム200・リン31・硫黄64・マグネシウム48 ppmを挙げます。微量要素はホウ素0.5、マンガン0.5、亜鉛0.05、銅0.02、モリブデン0.01、鉄1〜5 ppm。育つのに要る元素をすべて含み、幅広い種類の植物に使えると述べます。

濃いので薄めて使う: 窒素とカリウムが多いので、トマトやピーマンのように大きく育つ株に向くと言います。要求の小さいレタスや水生の植物にも使えますが、その場合は元の4分の1や5分の1まで薄める。同じ処方の名前で呼んでいても、薄め方まで見なければ濃さは決まらない、という但し書きが付きます。

作り方の段取り: 塩ごとに原液を作り、別々の瓶にラベルを付けて保存すると述べます。各成分は脱イオン水800 mLに加えてから1 Lに満たす。硝酸カルシウムだけは最後に入れるという順の指定も、字幕にそのまま出てきます。混ぜ終われば、そのまま株に与えられる液になります(→溶かす順番)。

使う前提までが処方: 見落とされがちな点として、この処方は1株あたり1ガロン(約4 L)の液を週に1度入れ替えて使う前提で書かれていると述べます。液量・株数・交換の間隔のどれかを変えれば、育ち方は大きく変わる。組成の表だけを写しても同じ結果にはならない、というところで話を閉じています。