体積中位径

粒径と分布

液の体積の半分が、これより小さい粒に入る直径です。農業の噴霧では、この値で粒の大きさを言うのが普通です。

どんな仕組みか

液の体積を小さい粒から積み上げ、半分に達したところの直径です。DV50・Dv0.5・VMD はどれも同じものを指します。平均ではありません——体積の累積で切った位置なので、DV10・DV90 と組にして初めて霧の形が分かります。表面積の比でそろえるザウター平均径とは同じ霧でも値が違い、粗さを言葉に直す噴霧の粒径分類は区分にこの値を使います。

粒径と圧力の目安

Lee ら 2026が6段階のノズル級を圧力 4.0 bar、ノズルから 500 mm、レーザー回折で測った VMD は、細かい側から141.2・152.5・231.6・241.6・454.2・732.7 µmでした。いちばん細かい級の D32 は 115.3 µm で、VMD とは2割ほどずれます。定義をそろえてから並べるのが先です。

根に届くまで

値が大きいほど粒は慣性で飛び、噴射の向きに沿って落ちます。小さいほど空気の流れに乗るので、届く先は風が決めます。同じ値でも粒径分布の幅が違えば届き方は変わります。ただしノズルを替えると噴霧角も流量も一緒に変わるので、この値だけを動かすことはできません。落ちるまでの時間の見積もりは霧の滞空時間と落下距離が受け持ちます。

詰まりと劣化

摩耗で口径が広がると VMD は大きい側へ、目詰まりで流路が細ると噴霧が乱れて粗い粒が増えます。霧のはずが水滴になって落ちるのはその極端な形で、見え方は霧ではなく水滴が落ちるにまとめてあります。同じ圧力で流量が変わっていないかを先に見ると、粒の側の変化と切り分けられます。流量が戻らないなら、口よりも手前を疑います。

誰が、何を、どう測った値か

農業の噴霧で DV0.5 が標準的に使われることは、Chen ら 2024(Frontiers in Plant Science)が ASTM E799-03(2020)e1 を引いて書いています。噴霧栽培の実測は Lee ら 2026 の韓国・平昌の自然光温室、ツボクサ、栽培床 63.9 m²という条件で、別の装置や作物にそのまま当てはまる値ではありません。