噴霧の粒径分類
粒径と分布
農薬散布の世界には、粒の粗さを言葉で表す分類があります。極細のVFから極粗のUCまでの階級です。
どんな仕組みか
粒の粗さを言葉で表す階級で、極細(VF)から粗い側へ順に並びます。区分に使うのは体積中位径です。µm の境目を直接決めた表ではありません——圧力まで決めた基準ノズルの噴霧と比べ、どの区間に入るかで階級が決まります。ANSI/ASABE S572.3 と ISO 25358 が、この参照方式を定めています。
粒径と圧力の目安
境目を決める基準ノズルは、Ferreira ら 2020 の表で11001 を 450 kPa、11003 を 300 kPa、11006 を 200 kPaというように圧力ごと指定されています。同じノズルでも圧力で階級は動き、Wang ら 2023 の ST110-03 は0.2 MPa で VMD 171.4 µm の F、0.4 MPa で 142.8 µm の VFでした。
根に届くまで
階級は「どれだけ飛ばされやすいか」を言うために作られたもので、根に届くかどうかを直接表すものではありません。噴霧栽培はこの分類を農薬散布から借りています。Chen ら 2024(Heliyon)の TR80 005 は0.3 MPa で DV50 86.87 µm、階級は VF でした。同じ階級でも噴霧角と流量は別なので、高圧噴霧と低圧噴霧と合わせて読みます。
詰まりと劣化
階級を決める試験は清水で行われます。製剤や展着剤の影響を規格が扱っていないことは、Tom Wolf が Sprayers 101 で明記しています。養液や界面活性剤を通せば階級は動きうるので、カタログの階級は出発点にとどめ、液が変われば粒も変わるとミストノズルの実測で確かめます。
誰が、何を、どう測った値か
階級の定義は ANSI/ASABE S572.3 と ISO 25358(2018) です。実測は Wang ら 2023 の8種のノズル×3段階の圧力、基準ノズルの一覧は Ferreira ら 2020(Scientific Reports、CC BY)から引きました。改訂で粗い側の境目が動いたことへの注意は Sprayers 101 が書いています。階級と育ちの関係は霧は細かいほどよく育つ?へ渡します。