噴霧時間の長さ

当てかたと間欠

1回にどれだけ出すかが、根に届く量を決めます。装置によって数秒から数分まで、桁が違うほど幅があります。

どんな仕組みか

1回の噴霧を何秒・何分続けるかがオン時間です。間欠噴霧の周期のうち実際に液が出ている側を指し、次までの間隔である休止時間の決めかたとは別の数字です。数秒で切る装置もあれば、数分のあいだ出しつづける装置もあり、桁の違う値が並びます。1日の投入量は、回数と1回の秒数と流量の掛け算で決まるので、どれか一つだけを見て装置どうしを比べることはできません。

粒径と圧力の目安

Tunio ら 2021・2022 は5分を固定の噴霧時間とし、空気式は水側0.2 MPa・空気側0.4 MPa で4 L/min、エアレスと超音波は0.2 MPa で1 L/minでした。Lee ら 2026 は当てかたを周期の分数と1日の回数で書いていて、1回のオン時間そのものは示していません。流量は4.0 bar で0.6〜0.7 L/minです。

根に届くまで

オン時間を伸ばすほど、根の表面の膜は厚いまま保たれます。厚い膜は水と養分を運ぶ一方で、空気からの酸素が根へ届く道を遠回りにします。逆に短すぎると、配管に圧が乗りきる前に閉じてしまいます。カタログの粒径は一定の圧力で測った値なので、出はじめと止まりぎわは、その測定条件の外にあります。同じ設定でも、オン時間が短いほどこの立ち上がりと止まりぎわの割合は大きくなります。

詰まりと劣化

開け閉めの回数は、そのまま電磁弁とポンプの仕事量です。オン時間を短く刻むほど、同じ投入量でも動作の回数は増えます。部品の寿命は、動いていた時間ではなく回数のほうで減っていきます。閉じたあとに配管へ残った液は先端から垂れ、止めても霧が垂れ続ける状態と見分けがつきにくくなります。長いオン時間では、配管の圧力損失と圧のそろえ方の差が末端のノズルに出ます。

誰が、何を、どう測った値か

5分という噴霧時間は Tunio ら 2022(IJABE 15(1):79-88)が、中国・鎮江のガラス温室でバターヘッドレタスを、4種のノズルと4つの間隔の組み合わせで育てた条件です。1回の秒数を変えて比べた試験ではありません。数秒単位で切るという言い方は広く出回っていますが、測定条件つきの資料をこちらでは確認できていません。自分の装置の値は粒径の測りかたと同じで、測るしかありません。

解説動画: Aeroponics Systems Design Like A Professional Part 1/High Tech Gardener

一回に出す秒数: 動画は、噴霧の側で押さえるのはノズルと周期の二つだと述べます。周期のうち液が出ている側で挙がる目安が1回5秒で、1秒や2秒で切る作り方もあると続けます。どの値も目安にすぎず、何を育てるかで動くという言い方で、絶対の秒数としては示されません。休みの側は休止時間の決めかたが受け持ちます。

秒数が量を決める: 動画は、ノズルの流量と本数に、出している時間の割合を掛ければ、1時間や1日に要る養液の量が出ると説明します。毎分1ガロンのノズルを半分の時間動かせば1時間で30ガロンという計算です。秒数を伸ばすほど投入量も増えるので、この値がタンクの大きさを決める入力になると述べます。

配管を満たす時間: 動画は滞留時間という言い方を出します。加圧タンクからノズルまで5秒かかる系なら、5秒に満たないオン時間では、前に残っていた液が出ているだけです。根のまわりを冷やしたいときはその倍の10秒を出して、冷えた液を根まで届けるという例を挙げ、秒数には配管から来る下限があると示します。

出している間の圧: 出している最中の流量が、配管の太さの上限を決めると動画は述べます。管が長いほど、継手や弁が多いほど、また高いところへ送るほど圧は落ちます。タンクで100 psi あってもノズルには50 psi しか来ていない状態は良くないと例示し、その落ちる分はポンプの側で見込むと続けます。配管の圧力損失と圧のそろえ方の話です。

秒数はポンプの仕事: 動画は、噴霧・配管・加圧の三つを合わせるとポンプに要る性能が出ると結びます。1時間のうち何分回るかという稼働の割合が分かり、連続運転を想定していないポンプは休みが要ると述べます。製造元の目安を超えない秒数と回数にすること。オン時間は系に流す養液の量であり、同時に加圧ポンプの仕事量でもあります。