スプレー角と到達距離

当てかたと間欠

噴霧は円錐状に広がり、離れるほど薄まります。角度が広いほど手前で重なり、遠くには届きにくくなります。

どんな仕組みか

ノズルから出た霧は円錐に広がります。その開き角がスプレー角で、離れるほど当たる面は広く、同じ量が薄く配られます。角と距離から範囲を計算する幾何は噴霧角と届く範囲に置きました。ここで見るのは、カタログの角も粒径も、決まった圧力と決まった距離で測った1点の値だということです。圧力や液が変われば、実際の広がりはその値から動きます。

粒径と圧力の目安

Lee ら 2026 が6つのノズル級を測った値では、噴霧角は95〜140°に散らばります。細かい側のVFが108°、Fが116°、粗い側のXCが140°で、角の広さと粒の細かさは同じ向きには動きません。流量は0.6〜0.7 L/min、測定は4.0 bar・ノズルから500 mmの位置での値です。

根に届くまで

出口の角は、出た直後の形にすぎません。離れるほど粒は周囲の空気に引きずられ、円錐の縁はほどけます。Chen ら 2024 の風洞では、風下へ離れるほど着いた粒の平均径が単調に小さくなりました。届き方は感水紙の被覆率で測れます。He ら 2025 は可動の噴霧で被覆率90%超を出し、固定の間隔ではむらが出ると書いています。

詰まりと劣化

目詰まりは、まず噴霧の形に出ます。噴口が部分的に塞がると円錐は片寄り、霧が片側にしか届かない見え方になります。Lee ら 2026 は流量か噴霧の形が変わったら清掃する運用と、作期に1回以上の形の確認を勧めています。摩耗で穴が広がれば流量も角も変わりますが、何時間で変わるかの実測は見当たりません。

誰が、何を、どう測った値か

噴霧角と流量は Lee ら 2026(Frontiers in Plant Science、CC BY)が、レーザー回折の粒度計で4.0 bar・距離500 mmの条件で測った表の値です。被覆率は He ら 2025(同誌、CC BY)が感水紙で測ったもので、流量3 L/min・移動速度毎秒0.38 mという条件が付きます。どちらも自分の装置の角を保証する値ではなく、扱いは粒径の測りかたと同じです。

解説動画: Pesticidewise: "standard flat fan" and "even spray flat fan" nozzles/Pesticidewise

下向きに広げる扇: 動画が扱うのは、液を扇の形に下へ広げて当てるノズルです。背の低い作物や地面へむらなくかけるためのもので、とくに除草剤の散布に向くと述べます。殺虫剤や殺菌剤にも使えるものの、風で狙いから外れて流れることには気をつけるように、と付け加えています。二つの型を比べる形で話が進みます。

高さで幅が変わる: 取り付けの高さを変えると、当たる帯の幅もそのまま変わると述べます。だから株の広がりが作物ごとに違っても、同じノズルのまま合わせられる——それがこの形のノズルの使いでの良さだ、という言い方です。均一型を条の間や条の上へかける話の流れで出てきます。角と距離から範囲を出す幾何は噴霧角と届く範囲が受け持ちます。

縁ほど薄くなる: 標準の型では、当たり方が三角形になると言います。中心がいちばん濃く、縁へ行くほど薄い。均一型のほうはそうならず、端まで同じ濃さで配られるので、条の間や条の上へまっすぐかける使い方に向くと述べます。同じ扇の形でも、配られ方の違う二つがあるという対比で話が進みます。

重ねて濃さをそろえる: 標準型は0.5 m 間隔で並べ、高さ0.5 mで使うと説明します。すると隣り合う薄い縁どうしが重なって、重なった帯も中心と同じ濃さになる。薄いところを薄いまま残さないための並べ方で、間隔と高さは片方だけでは決められず、どちらも動かせば結果が変わります(→ノズルの本数と間隔)。

帯の幅を測る: 縁がぼやけるので、帯の幅はどこからどこまでなのか分かりにくいと言います。数秒だけかけて、濡れた面がいちばん濃く見えるところを探す。そこから、反対側で同じように薄くなる位置までを測るのが動画のやり方です。測り方をそろえておかないと、並べる間隔の話も始められません。