保温ボトル

夜を過ごす道具

外から温める道具に対して、内側から戻す一本です。冷えた体に熱い一杯が入ると持ったカップで手も同時に温まり、真夜中に切り上げるか続けるかの分かれ目になります。

何が見えるようになる道具か

飲むことで、体の内側から熱を戻す道具です。防寒着は熱を逃がさず、使い捨てカイロは触れた面を温めますが、どちらも外からの受け持ちで、冷え切った芯までは届きません。中身が冷めにくいのは、内びんと外びんの二重の壁のあいだを真空にして熱の行き来を断っているためです。温かい一杯は喉から胃を通って内側を温め、注いだカップを握れば指先も同時に戻ります。屋内へ引き上げずに済む分だけ、夜半すぎの時間が延びます。

選ぶときに見るところ

暗がりで片手のまま開けられるかをまず見ます。蓋を両手で回す形は、片手に双眼鏡を持ったままでは扱えません。次に倒してもこぼれない栓で、鞄の中で横になる前提の構造かを確かめます。保温力は保温効力という表示で見ます。まほうびんの日本産業規格 JIS S 2006 が試験方法を、家庭用品品質表示法が表示を決めており、湯を満たして六時間後に何度あるかという形の数字です。同じ容量どうしで比べます。

使うときの注意

暗い足もとで熱い湯を注ぐのが、いちばんの危険です。カップは地面に置かず、赤色ライトで手もとを照らしてから傾けます。手袋のまま蓋を回すと締め切れず、鞄の中で漏れます。中身にも制限があり、牛乳やスープ、果汁のように傷みやすいものや塩分の多いものを入れられない容器があります。取扱説明書の禁止欄を先に読みます。炭酸飲料とドライアイスは、内圧が上がって栓が飛ぶため入れません。

無いときの代わり

魔法びんの構造でない水筒でも、厚手のタオルで包めば下がる速さは落ちます。温かい飲料の缶やペットボトルを買い、断熱の効く鞄に入れておく手もあり、数時間なら手を温める用途には足ります。二本買って一本は飲まずに手を温める側へ回せば、使い捨てカイロの代わりも兼ねられます。飲むものが無いまま冷えるのがいちばん困る状態なので、常温の水でも持ちます。利尿作用のある飲みものは夜のトイレを増やす点だけ数に入れておきます。