虫よけスプレー

夜を過ごす道具

夏の夜は、蚊のほうが先に観察を切り上げさせます。有効成分はディートとイカリジンの二つで、表示された濃度が表すのは効きの強さではなく、効いている時間の長さです。

何が見えるようになる道具か

見上げている時間を、蚊に切り上げさせないための道具です。蚊は吐く息の二酸化炭素と体のにおいを頼りに寄るため、草地や水辺でじっと待つ姿勢は見つかりやすい状態です。首や耳のうしろ、伸ばした腕といった自分の視界に入らない面が刺されます。一度かゆみが始まると、そらし目で淡いものを探す集中は続きません。肌に塗った成分は虫の側の受け取りを妨げ、寄ってくる数を減らします。刺された跡のかゆみは、その夜の残りをまるごと削ります。

選ぶときに見るところ

有効成分はディートとイカリジンの二つです。濃度が表すのは効きの強さではなく、効いている時間の長さで、イカリジンの製品では五パーセントで六時間以内、十五パーセントで六時間から八時間という持続が示されます。厚生労働省はディートについて、六か月未満の乳児には使わない、二歳未満は一日一回、十二歳未満は一日一回から三回という目安を定めています。イカリジンには年齢の制限がなく、ペルセウス座流星群の頃に夜通し外にいるなら向きます。

使うときの注意

ディートは樹脂や塗装を傷めることがあり、双眼鏡の外装や接眼部に触れさせません。綿や毛には影響が出にくい一方、プラスチックや革は表面が溶けることがあります。厚生労働省の使用上の注意は顔に使わないこと、塗った手で目をこすらないことを挙げており、接眼部へ顔を寄せる夜には効いてくる注意です。手のひらに出して塗り広げ、道具を持つ前に手を拭きます。汗をかいたら塗り直すものと見ておきます。

無いときの代わり

長袖と、足首まで覆う靴下や靴がいちばん素直な代わりで、刺される面をそのまま減らせます。腕を上げて双眼鏡を構えると袖口が下がるので、手首まで届く袖を選びます。地面に近い高さで焚く蚊取り線香も効きますが、効くのは煙がとどまる範囲だけで、風のある河原や高台では流れて届きません。立つ場所を風上にとり、草むらと水たまりから離れるだけでも寄る数は変わり、肌の露出を減らせば塗る量そのものも減らせます。