寝ころぶマット
夜を過ごす道具
寝ころぶと、視野に空の広い範囲が入ります。国立天文台の「流星群の観察方法」も、この姿勢なら楽に長く続けられるとして、マットや寝袋を挙げています。
何が見えるようになる道具か
あおむけの姿勢そのものを成り立たせる一枚です。国立天文台の「流星群の観察方法」がマットの名を挙げているのは、この姿勢を作れるからです。効き目は二つで、首を使わずに待てるので観察が長く続くこと、視野に空の広い範囲が入り、どこに出るか分からないふたご座流星群のような対象を待てることです。一点を見つめる道具ではないぶん、空全体を流し見る側の持ち場になります。
選ぶときに見るところ
地面へ熱を逃がさない厚みが柱です。発泡素材のマットは厚さ8mm前後と15mm前後で底つきの感じが変わり、薄い銀色のシート一枚では冷たさがそのまま通ります。空気を入れる型は断熱が効く代わりに、暗がりでの用意には赤色ライトと手数が要ります。次に畳んだときの大きさで、折りたたみ式は開くのが速く、巻く型はかさばりません。夜露で濡れる面と体が触れる面を分けられるかも見ます。裏表が決まっていれば、濡れた面を上にせず畳めます。
使うときの注意
冷えは地面から来ます。晴れて風の弱い夜ほど地面の温度は下がり、接している背中と尻から熱が抜けます。防寒着を着ていても、下に敷くものが薄ければ止まりません。上に一枚、下に一枚を厚く重ねます。暗がりでの置き忘れも起こりやすく、黒や濃い緑のマットは、少し離れると足元で見つかりません。明るい色の紐や目印をつけておきます。あおむけのまま眠ると体が冷えるので、寒い季節は寝袋と組み合わせる前提で持ちます。
無いときの代わり
リクライニングチェアと迷うところですが、双眼鏡で一点を追う夜は椅子、空をひと続きに眺める夜はマットです。マットが無ければ、段ボールを二枚重ねる、車のフロアマットを敷く、厚手の毛布をたたんで下に入れるといった手で断熱は作れます。銀色の断熱シートは薄くても、地面へ逃げる熱をかなり止めます。何も無ければベンチや車の座席に背を預け、地面へ直接寝ないことだけ守ります。